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 ゜┗━┛         2007年02月24日号 通巻 217号 ┗━┛゜
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の発行人、銀凰です。

 今号から新会員・瑞坂菜さまの連載「加藤さんの約束」(全3回)が始まります。

 まずは瑞坂さまの自己紹介から。
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PN 瑞坂 菜  みずさか さい
http://blog.goo.ne.jp/kawa-sakana/
作りたてのブログWebです。最近の作品を掲載中です。
小さい頃から妄想癖あり。ミニコミライターを経営と一緒に経験し創ることの
苦しさや悩ましさに、人生落下の痛い思いをしても、身も心も別れられません。
最近は、子どもにも読める読み物(ナンセンス・ショートショート・ドキュメ
ンタリー)を模索創作中。自営SEの夫と二人暮らし。
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 それでは早速本日の会報をお楽しみ下さいませ。
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◇本日の目次…
 ▲オススメメールマガジン・HP・情報紹介
 ◆連載小説…瑞坂 菜 加藤さんの約束 第1回
 ◆連載小説…神光寺かをり クレール光の伝説・古の【世界】 第46回
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◇メールマガジン・HP情報紹介
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◇連載小説 加藤さんの約束 第1回            作:瑞坂 菜
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 この夏の日課を水まきにしようと決めたのは、妻とハットリさんのせいだっ
た。
「加藤さんのご主人は、家の中でできる仕事でいいですねぇ。ウチらは、この
季節、毎日体中の水分が入れ替わりますわぁ」
 一ヶ月近くかかった工事が終ったのは、七月の終わりだった。
 妻が造園を頼んだ庭師のハットリさんは、玄関先に置いた縁台に座り、よく
日焼けした丸い顔で、アハハと笑った。
「そうそう、ご主人。庭木と花壇の水やりは毎日お願いしますよ。枯れちゃう
とかわいそうだからねぇ」
 そうだわねと、妻は冷たい麦茶をハットリさんの前に置きながら、私の方を
チラッと見た。
「毎日かね」
「そうですね。彼岸くらい、九月の半ばくらいまでは、朝夕二回お願いします
よ。ウチもときどきは、のぞきますから」
 やれやれ。

「あのね、あなた」
 妻がこういう言い方をするときは、良いことはない。
「この家は草取りが大変なのよ。梅雨が明けたら、もう、やってらんないって
感じなの。だから、あのね、草がすごく茂っている門の横をね、花壇にしたら
どうかしらって」
「花壇に、か」
「ついでに、玄関の横にカツラの木を植えてね、ブルーベリーの生垣にして
ね」
 かなり、盛り上がっている。
「蚊がわくような水たまりも、もうできないように地面も整地して、お庭らし
くしいたいのよぉ」
「誰がするんだ、君か」
「まっさかぁ。庭師さんよ。いい庭師さんがいるのよ。ガーデンプランナーさ
んが全体をデザインしてくれるんだよ、いいでしょねぇ」
「くれるって、君なぁ」
 ニンマリと笑う妻の傍らには『木々とお花が揺らぐ庭・加藤邸』と書かれた、
色つき完成予想図が、私からよく見えるようにさりげなく置いてあった。

 妻がニンマリした次の日に、やって来たのがハットリさんだった。
 次の日には、草取りが始まり、ガーデンプランナーと紹介された女性の姿が
見えた。
 数日後にはトラックが入り、連日数人の職人さんが入り、ショベルカーがゴ
ウゴウ音を立てた。コンクリートミキサー車が来る頃には、梅雨が終りかけて
いた。
「ご主人。南側の空き地、ちょっと耕しておきましょう。ネギくらい植えられ
ますよ」
 ハットリさんが、公道も走れるナンバー付の自家用トラクターでやってきた
日は、さすがに驚いた。近いとは言えない自宅から乗ってきてくれたらしい。
「ああ。よろしく」
 きっと妻が、プランターからネギや大葉を植え替えて、家庭菜園の真似ごと
でも始めることだろう。
 そんなこんなの毎日を過ぎて、縁台の麦茶会議となったのだ。
 生まれてこの方、庭の付いた家に住んだことはない。それどころか、毎日、
一日の大半を机の前で原稿用紙とにらめっこをして過ごす私だ。
「健康にもいいんだから、水まきがんばってやってね」
 まんまと妻の策に乗ったことに、悔しい気もした。
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★文芸同人「主婦と創作」ではあなたの作品のご投稿をお待ちしています。
投稿は専用メールフォームで(http://mm.9no1.gozaru.jp/mmagazine.html)
投稿に際しては投稿規約(http://mm.9no1.gozaru.jp/03.html)必読です。
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◇すごいヒント〜ブランディングのための文章作成のアイディア〜
  昨今、『文章』というものが、にわかに脚光を浴びてきています。
  レタースキルさえあれば、食べるのに困らない、とまで言われている事実。
  メルマガ、ブログには、文章が切っても切れない要素として
  存在しているのは、皆さん、ご承知のとおりです。
  当レポートでは、文章力という側面からではなく、
  「いかに、オリジナリティのある文章をかけるか?」
  という部分にスポットをあて、そのヒントを提案しています。
  当レポートが、少しでも、皆さんのお役に立てれば幸いです
>>http://www.sugowaza.jp/reports/get/724/2452/
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◇連載小説 クレール光の伝説・古の【世界】 第46回  作:神光寺かをり
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「お前さんを迎えに来て卒倒した娘だな。確かシルヴィーと言った。舞台に上
がると人間が変わるタイプか。中々に巧いじゃねぇか。もっとちゃんとした所
でも……現状じゃプリマはキツイが……ソリストは演れる」
 ブライトはエル・クレールが望んでいる回答を返さなかった。
「娘ばかりの劇団だから、しかたなく娘に男の役を割り当てている……?」
 エル・クレールはあえて間違いなく否定されるであろう「好意的な意見」を
口にした。
「あの阿呆のことだ。件のお偉いさんにゃぁそう言い張る腹づもりでいるンだ
ろうがね」
 ブライトは唇の端に意地の悪い微笑を浮かべた。『続きは言わなくても解る
筈だ』の意である。
 エル・クレールはうなずいた。
『その人物が女であったから、当然女の踊り手に役が振り当てられている』
 彼女は膝の上の羊皮紙をじっと見た。闇の中で一つの単語が踊っている。イ
ンクの色は心もとないほどに薄いが、筆圧は高い。その女性名が強い確信を
持って書かれたことの証だった。
「フレキ叔父は……なぜそう思われたのでしょう?」
 文字の上を指でなぞりつつ、エル・クレールは呟いた。
「四〇〇年の間にゃいろんな史料が作られちゃぁ捨てられるを繰り返してる。
捨てたつもりが捨てきれなかった物も、中にはあらぁな」
 くぐもった声でブライトが言う。彼の視線は舞台に注がれていた。閉ざされ
た幕が重く揺れている。
「捨てられるはずだった物の方が、伝わっている物よりも正しいと?」
 当然ともいえる疑問を投げかけられたブライトは、深く二つ息を吐いた。
「残った物にだって正しい物はある。例えば、正史にゃクラリスって名前は書
いてねぇんだぜ。かっ攫われたときにゃ『美姫』、その後は『皇后』。それっ
きりさ」
「え?」
 人気のない劇場の中に、エル・クレールの声が反響した。驚愕の大きさが、
そのまま声の大きさとなっていた。
「『ガップの古書による。后の諱、クラリスと伝わる』ってのは、正史を書き
始めたヤツがおっ死んでから百年ぐれぇ後に、別の研究家が付けた注釈だ。ま
あ、それくらい古い注になっちまうと、ほとんど本文と同じ扱いにされちまっ
てるから、普通に学問するときにゃ区別もしねぇがね」
「あ……」
 エル・クレールは急速に己の記憶を十年ほど巻き戻させた。父の友であり、
ミッド公国随一の学者であったセイン=クミンに師事して学んでいた幼い日の
ことを思い出すためだ。
 史学を学ぶに際し、師は古い書物を書写させた。物事を記憶するには、それ
が一番良い方法だというのが、彼の持論であった。
 ブライトが言った皇后の名前に関する記述の部分は、注釈であると明記され
てはいなかったが、他の部分の文字よりは小さめに書かれていた気が、おぼろ
げにする。
 瞬きを二,三度する間に意識を今に引き戻したエル・クレールは、ブライト
の横顔に眼差しを注いだ。
「それからさらに三百年も経っちまった。件の注釈の引用元の『ガップの古
書』ってヤツは、きれいさっぱり散逸したってことになっている。初代皇帝の
后だの国母だのとあがめられている女の名前がそこに間違いなく書いてあった
のか、あったとしても、その女の名がクラリスだったのか、今となっては解
りゃしない、と」
 ブライトのこめかみあたりが、ひくりと痙攣した。
 頭痛がする。それでも口元には薄い笑みが浮かんだ。妙におもしろい気分
だった。
「フレキ叔父は散逸した古書と思わしきものを、ご領地で見いだされた。
 あるいはそれは書物の体をなしていない口伝であったかも知れませんが……。
 兎も角、そこにはクラリスという女性の名があった、ということですね」
 エル・クレールが口に出したのは、考え至った事柄の半分程度だった。
 残りの、核心に当たる部分を言葉として発することは憚られる。
 自分の先祖達から聞き伝えられた自分の先祖の歴史を、根底から覆すような
ことを、その末の身が口に出して言えるものか。
 国を興した英雄の性別が、伝わる物とは違っていた……いや、それだけなら
ばまだ良い。遙か昔、女性が帝位を認められていなかった頃の詭弁の名残だと
思えば、どうにか理が通る。
 だがエル・クレールは別の可能性を見いだしてしまった。そして、年若い義
理の叔父も、自分と同じことを考えていたのではないかと思い至った。

 初代皇帝「ノアール=ハーン」は、存在しなかった、と。

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