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゜。┏┫☆テキスト系創作メールマガジン 文芸同人主婦と創作☆┣┓。゜
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 ゜┗━┛         2007年01月20日号 通巻 212号 ┗━┛゜
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の発行人、銀凰です。

 それでは早速本日の会報をお楽しみ下さいませ。
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★文芸同人「主婦と創作」ではあなたの作品のご投稿をお待ちしています。
投稿は専用メールフォームで。(http://mm.9no1.gozaru.jp/mmagazine.html)
投稿に際しては投稿規約(http://mm.9no1.gozaru.jp/03.html)必読です。
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◇本日の目次…
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 ▲オススメメールマガジン・HP・情報紹介
 ◆連載小説…流河 晶 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第24回
 ◆連載小説…神光寺かをり クレール光の伝説・古の【世界】 第41回
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◇メールマガジン・HP情報紹介
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◇『絵を描く自信ができたよ!なかなか聞けない画面構成の秘訣』
  画面構成は絵を描く上でもっとも大切なことです。
  これによって絵のでき不出来は80%以上決まります。
  写真入でわかりやすく解説しています。
  絵を描いたり鑑賞する際の秘訣を公開していますので
  参考になさってください。
>>http://tinyurl.com/w6tqn

◇留学ハプニング・トラブル集!?
  実際にあった留学経験をもとにしたハプニングやトラブル。
  滅多にない話、と思われるかもしれませが、チリも積もれば山となる・・
  それはそれは、色々とあります(笑)
  起こってしまった事は仕方ない・・・という面もありますが、
  備えあれば、憂い無しで事前に準備できること、
  気をつけておこうと思われる点は、是非ご参考にして下さい。
  それ以外は、笑って読み進めてもらえたらと思います。
読む>>http://www.sugowaza.jp/reports/get/724/3985
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◇連載小説 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第24回    作:流河 晶
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 三週間後、N.B.(ネオ・バース)のアステール社にて。

「……何なんだ、この報告書は。誰が小説を書けと言った」
 それまで読みふけっていた分厚い報告書の束を机に放り出し、スミスの上司、
アンダーソンは言い、椅子ごと彼に向き直った。
 その眉間には、深いしわが刻まれている。

「お言葉を返すようですが、部長。そこに書いたのは、神かけて本当のこと
ですよ。
 その証拠に、これを持ってみて下さい。母星から持ってきた物です。一緒に
提出したいと思いまして」
 スミスは、胸ポケットから細長い箱を取り出した。
 うやうやしく蓋を開ける。中には、黄金よりも美しく輝く、紅い金属ででき
た装飾品が入っていた。切れた鎖は無論、すでにつないである。

「……ふん、ペンダントのようだが、これがどうしたと……うわっ!?」
 無造作にそれを手に取ったアンダーソンは、次の瞬間、反射的に立ち上がっ
ていた。
 数分間、微動だにせず立ち尽くし、それから我に返ると、呆然とスミスに
視線を送る。
 スミスとテッドがオラムに見せられたとほぼ同じものを、彼も見ていたのだ。

「……ご覧になりましたか。このペンダントは、一種の記憶装置なんです。
 俺達が独立した後、母星はその装置やゴーレムなど……何というか、メカニ
カルな部分では格段に進歩を遂げたようですが……。
 ともかくオラムは、これを我々にくれると言いました。どの時点からかは
不明ですが、彼は、俺達が母星からN.B.へ植民して行った人類だと気づいた
んですね。
 だから、同じ過ちを犯さないようにというメッセージと共に、俺達に託した
んでしょう、他の人達にもこれを見せてかったんですね……」

 アンダーソンはゆっくりと首を左右に振った。
「ううむ……実際に見ていなければ、到底信じられん話だが……こうして証拠
もあることだしな……。
 分かった、社長や重役連中には私から報告しておく。
 ──ま、がめつい社長のことだ、宇宙局にはこのペンダントのことは隠して
おき、後でTV局にでも横流しして、たんまり稼ぐかもしれんがな」

 スミスは肩をすくめた。
「構いませんよ、どうせ宇宙局に提出したところで、奴らがまともに公開する
とはとても思えませんし。
 人心を害するとか何とか、様々屁(へ)理屈をこねてたらい回しにしたあげく、
倉庫に仕舞い込んで、忘れたふりを決め込むでしょう。その間に、母星のデー
タ同様、"謎の消失"が起こりかねません。
 そうなる前に、脳波映像化装置にかけた映像を報道機関で流してもらった方
が、人々の眼に触れる機会も多くなり、オラムも喜ぶんじゃないでしょうか」

 部長は唇を歪めた。
「ふ、バカとハサミは使いよう、か?」
「部長……俺はそんなこと、思っちゃいませんよ」
 スミスが睨む真似をすると、アンダーソンは咳払いをした。
「……ゴホン、いや、冗談だ。
 何にせよ、社長は会社の名を売りたがっている。こういう機会には飛びつく
さ」
「俺の名前は出さないでくれって言っといて下さいよ、そんなことをしても、
ゴシップ好きな連中が喜ぶだけで、会社の利益には結びつかないとね。
 それに、TV局の連中に追いかけ回されるのは御免ですから」

「分かっている」
 部長はうなずき、それから言った。
「……しかし、さすがだな、スミス。
 かつてN.B.へ人類を導いた、偉大な提督(ていとく)の子孫なだけのことは
あるよ」
「よして下さいよ、いくら先祖が凄(すご)くても、俺には関係ありません。
 それに、二千年も経てば、子孫だって千人を軽く越えてるでしょう、俺は
その中の一人に過ぎないんですから」
 卓越した男の末裔(まつえい)は、自分の系譜(けいふ)についてはまったく
興味がなさそうだった。

「……その謙虚さ、行動力、冷静さ。
 どれをとってもスミス提督の名に恥じないさ、お前さんは。
 お前の爪の垢(あか)でも煎(せん)じて飲ませたいものだな、うちの社長に」
 絶賛する上司の言葉にも、スミスはまたも肩をすくめてみせて、答える手間
を省いた。


☆──────────────…‥‥・・・・ ・ ・ ・  ・  ・  


 数週間後。
 ようやく大規模なトルレンス号の整備と改良が終了し、久しぶりの長期休暇
を終えたスミスが、最終チェックのため出社したときのことだった。

「キ、キャップ! よかった、やっと会えた! 
 ──た、大変なんですよ!」
 ドックに向かう途中、テッドが蒼白な顔で駆け寄ってきたので、彼は面食ら
った。
「一体どうした? 血相を変えて」
「どうもこうもありませんよ、これ見てください!」

 部下が差し出したのは、掌(てのひら)サイズの受像機だった。
「おとといの深夜番組なんですけどね、これってやばいんじゃ……」
「深夜番組……?」
「と、とにかく見てくださいよ」
 クルーがスイッチを入れると、スミスの眼は、小さな四角い画面に釘付けと
なった。
 そこに映し出されていたのは、宇宙服を着ている彼自身と、テッド。
 おまけに画面の下方には、彼のフルネームまでがしっかりと記載されている。

「これは……会社に提出したビデオの映像、そのものじゃないか、しかも俺の
名前入りで……」
「ええ、こんな調子で、俺達がN.B.を出発し、母星を探索して帰るまでの一部
始終が放送されたんです。早送りしますよ」
 テッドが右向きの三角ボタンを押すと、画面の動きは速さを増す。
「えっと、ここです、キャップ」
「…………」
 画面が止まり、スミスの表情はさらに険しくなった。

 彼らがオラムの棺を発見した時点で画面が切り替わり、続けて、彼らが持ち
帰ったあの記憶装置を解析した映像が、挿入されていた。
 それが終わると、再び映像はオラムの横たわる棺の部屋へと戻り、彼らの
遺体が分解して消滅するところまでが、堂々と放映されていたのだった。
 しかも、その後は、ごていねいに彼の素性(すじょう)……スミス提督の末裔
であることや、今までに成し遂げてきたこと……などが延々と流されていく。

「くそ、俺のことは出すなと言ったのに……その上、こんなことまで……。
 ──そうか、部長だな!」
「あ、待ってください、キャップ! 俺も!」
 スミスはテッドが追いつくのも待たず、部長室に急いだ。
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◇連載小説 クレール光の伝説・古の【世界】 第41回  作:神光寺かをり
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「聞こえたとおりに呼べばよいことではありませんか?」
 エル・クレールが怪訝顔で言う。
 マイヤーはでれりと目尻を下げた。
「それがあまりに『出来過ぎた』お名前でしたから。……で、万一にでも間違
いがあっちゃイケナイでしょう? もう二度とこちらの旦那の逆鱗に触れたく
はありません。自分の腕や背骨が軋む音は聞いていて気分の良い音じゃありま
せんからね」
「出来過ぎ、ですか?」
 エルはちらりとブライトの顔を見た。
 彼は不興な顔で口をつぐんでいる。マイヤーが慌てて取り繕う。
「ああ、怒らないでくださいな。出来過ぎって言うのは言葉が悪かった。ク
レールの若様にお仕えになるには、ぴったりなお名前って言うことです」
 この言い訳によってブライトの表情が変化することはなかったが、同様にエ
ル・クレールの顔から疑問の色が消えることもなかった。
 マイヤーは言葉を続ける。
「聞いた話ですがね。ブライトってのは、帝都より向こうの西の果ての、海を
渡った先にあるっていう土地の方の言葉だそうじゃないですか。都の方じゃい
くらか名字に使っている家もあるそうですけど、東の方じゃあんまり聞かない
言葉なんで、最初は聞き間違いかと思ったくらいですよ。
 だってそうでしょう? 確か『明るい』とか『輝いてる』とか『冴えている』
とか、つまり『ピカッとした光』みたいな、まあそんな意味合いの言葉なんだから。
 つまり、主家のご家名のクレールと言うのと、ほとんど同じ意味だ……若様
の方のは、もっと透明な『キラキラっとした光』って感じですから、ちょいと
語感が違いますが、でもほとんど一緒ですよ――」
 長々しゃべりながら、マイヤーはブライトの顔色をうかがっていた。
 ブライトは、唇を引き結んでいた。沈黙がマイヤーにプレッシャーを与えている。
 脇にねっとりとした汗がにじみ出た。
 彼は、いつ目に止まらぬ早さであの腕が自分の胸ぐらを掴むかと恐々しつつ
も、しかしその不安を表に出さぬよう喋り続けた。
「――兎も角も、旦那は、自分の主の名前と同じ物をを名前として使ってる。
出来過ぎ……いやいや、ぴったりすぎて吃驚して、耳を疑っている、という按
配です」
 長台詞は最後まで中断されなかった。
 マイヤーの恐怖は、しかし晴れない。
 ブライトが無言のまま彼を見据えている。
 ブライトの名が、クレールの名と同意であることは、偶然ではない。
 ブライト=ソードマンの名は、物忘れの病で己の名を思い出せぬ彼が、必要
に迫られたために己で付けた「符牒」だ。クレール《明るい・光》という言葉
からの連想が含まれたことは、意図的ではないが、多分に意識的ではある。
 クレールは彼の名前が「本物」でないことを理解している。彼は自分への命
名を彼女の眼前で行ったのだ。
 ただ、それに自分の名が重ねられていようとは思いもしないことだった。
 故に聞いた。
「そういう意味なのですか?」
「そう言う意味なのですよ」
 ブライトは鸚鵡返しに答え、薄く微笑した。
 小さな笑みは、相合い傘の落とし文を見つけられた少年の照れ隠しに似ていた。
 会話とも言えぬ短いやりとりは、当事者以外には内容の理解ができぬ物だ。
「つまり、どういう意味で?」
 マイヤーが恐る恐る声を出すと、ブライトの微笑に違う色が混じった。
「偶然も必然の内ってことさ」
 言葉と表情に反論を許さぬ圧力がある。
 マイヤーは頬を笑顔の形に引きつらせ、
「と、言うことは、つまり旦那のことは、ブライトの旦那とお呼びすれば宜し
いので?」
 語尾が消える前に、ブライトが
「呼ぶな」
 鋭く釘を差し込んだ。
「その名で呼んで良いのはウチの姫若さまだけだ。三文物書きなんぞに呼ばれ
たら、折角の名前の価値がすり減る」
 マイヤーは身を縮め半歩後ずさりしたが、首だけはむしろ前に突き出すよう
にして
「ではどの様に?」
 食い下がる。
「どうしても名前で呼びたきゃソードマンで良かろうよ」
 ブライトは不機嫌に答えた。
 マイヤーは言いたいことは言わずにおけない質だった。ただし、大上段に切
り出すよりは、斜めからそっと訊ねるという言いようで物を訊ねるの常だ。
 遠回しな物言いは物書きらしい一種の「卑屈さ」ゆえの事でもあるが、彼に
とっては他人と衝突しないための策でもあった。
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