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 ゜┗━┛         2006年11月11日号 通巻 203号 ┗━┛゜
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の発行人、銀凰です。

 それでは早速本日の会報をお楽しみ下さいませ。
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◇本日の目次…
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 ▲オススメメールマガジン&HP紹介
 ◆連載小説…流河 晶 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第15回
 ◆連載小説…神光寺かをり クレール光の伝説・古の【世界】 第33回
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◇メールマガジン・HP紹介
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◇連載小説 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第15回    作:流河 晶
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「うへぇ…なんか、学校の実験室みたいな……」
「……いや、昔…映画か何かで見た、魔女の部屋のようでもあるぞ」

 その部屋はたしかに、魔術と化学が混在した様相(ようそう)を呈(てい)して
いた。
 薬草らしきものが片隅に山積みになっているかと思えば、籠(かご)に入れら
れた鶏が、羽ばたきながら時を告げ、机の上には色とりどりの液体が入ったビ
ーカーやフラスコが所狭しと置かれ、湯気を発したり泡立ったりしている。
 暖炉には大きな鉄鍋がかけられ、得体のしれないものが、ぐつぐつと煮られ
ていた。
 圧巻なのは、広い部屋を取り巻く壁一面に、びっしりと並べられた本、本、
本……。

 その中央、いくつもの燭台に丸く囲まれた星型の図形の中で、先ほどの老人
が忙しげに働いている。
 近寄ってみると、揺らめく光に浮かび上がる魔法陣の中に、10歳くらいの
愛らしい少女が一人、横たわっていた。
 眠っているようにも見える彼女の胸には、ぽかりと、大きな穴が口を開いて
いる。


「へええー、あのかわいい子が……ゴーレムなんだ」
 テッドは眼を丸くした。
 スミスが感心したようにうなずく。
「人間そっくりだな、いや、芸術的でさえある」
「ホントですね、キャップ」

「素晴らしい腕前だろう、我らの造物主は」
オラムは誇らしげに言った。
「──さて、これからが本番だぞ。彼女を目覚めさせるのだ。魂を吹き込むと
も言うが」
「……ふ〜ん。どうやるんだよ?」
「見ていればわかる」

 二人が息を詰めて見つめる中、老人は、そばに置いてあった古びた壷(つぼ)
を取り上げ、蓋(ふた)を開ける。
 中から現れたのは、握り拳ほどの大きさをした塊(かたまり)だった。
「何だ、あれ? ……ま、まさか、人間の心臓!?」
「いや、よく見ろ、テッド。あれは作り物だぞ」
「本当だ……あー、びっくりした」


 胸をなでおろすテッドの前で、老人は素焼きの心臓を捧げ持ち、唱える。
「──エメト!」
 すると心臓が眩(まばゆ)く光り輝き、文字が刻み込まれた──"emeth"…
真理と。
 彼はそれを、うやうやしくゴーレムの胸に納めた。
 たちまち穴はふさがって、少女はぱっちりと青い眼を開くと起き上がり、
人なつっこく微笑みかけてくる。
「おじいちゃん」
「おおお、ジュンヌ!」
 老人は、涙を流して彼女を抱きしめた。


「かつてはこのように、所有者が秘文字(シェム)をどこかに刻み、命を吹き込んでいたのだ。
 動かないようにするには、最初の " e "を削り、" meth(メス)"……
"死"……に書き換えればよかった。
 また、所有者が死ぬと、自動的にゴーレムも死んだ……。
 無論、独立した種族となってからは、もはやそういうことはなくなったが。
 我らは、ドレイのような身分からはすでに脱却しているからな」

「はー……なんか魔法みたいだな」
 テッドは頭をかいた。
「いや、魔法などではない。
"シェム"を媒体とし、所有者の"念"……つまり精神の力で動かすのだから、これは立派な科学だ。
 この星の人間は、長年に渡り精神感応力を研究し、強化もしてきたのだ」
「……なるほど。超心理学を極めたと言うわけだな」
 スミスはうなずき、テッドは好奇心に駆られて尋ねた。
「でも、どうやって、独立した種族になることができたんだ?」

「それも造物主のお力だ。
 この少女と、もう一体…造物主が最後にお創りになられたゴーレムは、それ
までの常識を完全に覆(くつがえ)す者だったのだから……!」
 そう話すオラムの深緑の瞳は、どこか暗く揺蕩(たゆた)っていた。


 たしかにその少女のゴーレムは、作り物とは思えないほど生き生きとして、
笑い、泣き、その上驚いたことに、日々成長さえして行ったのだった。
 老人も心の底から楽しげで、何歳も若返ったようにも見えた。
 しかしその幸福な時間も、そう長くは続かなかった。
 数年後のある朝、いかめしい制服姿の男達がどやどやと、老人の屋敷に乗り
込んできたのだ。


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◇連載小説 クレール光の伝説・古の【世界】 第33回  作:神光寺かをり
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 薄暗く埃っぽい舞台裏で、幾人かがあわただしく動き回っていた。
 大部屋の楽屋にたむろしていた娘達よりは幾分年嵩らしい女性達と、劇団員
とはとても思えない厳つい男達が数人、罵り合うような言葉を投げつけあい、
それでいて和気藹々とした雰囲気で作業を行っている。
 彼らにとってはそれがあたりまえの会話なのだろうが、エルは違和感を憶えた。
 仕方のないことではある。
 クレール=ハーン姫は世が世なら都の玉座に在している筈の、一級品の箱入りだ。
 確かに、貴族と平民の垣根が低い山奥の小国に生まれ、農婦樵夫とも親しく
接する環境に育った身ではある。訛り、あるいは砕けた言葉を知らぬではない。
 それゆえ、普段のブライトが口にする言葉程度の乱暴さであるなら、聞くこ
とに問題はなかった。
 そこには「慣れ」の部分がある。
 生まれ育った国風の穏やかなミッド公国においての訛りや砕けかたや、好む
と好まざるとに関わらず四六時中共に過ごし会話している男の口ぶりには慣れ
きっている。
 ところが、ここにいる裏方達の言葉遣い、語気の強さ、イントネーションと
いったものは、箱入りのクレール姫にとっては未知のものであったし、国を出
たエル・クレール=ノアールの旅行きの中でも耳にしたことのないものだった。
「西の方の……北側の海っ縁だな」
 ぼそりとブライトが言った。
 帝国に住まう人々は、己の国土を大雑把に五つほどの地域に分けて呼んでいた。
 その呼び名はすこぶる単純だった。
 帝都のある「西の方」、そこから大陸の反対側の「東の方」、古い都ガップ
があるあたりは「北の方」、南方の海沿いは「南の方」、そして国土の中央あ
たり、すなわち亡国ミッドがあった地域は「山の方」とか「高い所」といった
具合だ。
 この単純な区分けは、帝国の主がギュネイ家になる以前からなされていたものだ。
 新しい主になってから、それに仕える役人達は彼らなりの行政区分を設定した。
 ブライトの言った「西の方の北側の海っ縁」にしても、「西部北西郡内務省
港湾警備局特別行政区北地区」という名前がある。政府直轄の港町の北側とい
うことを言いたいために、こういう長ったらしい名前になっているようだが、
その煩雑さが四百年の習慣に勝てるはずもない。
 当の役人達が、書類の上には長々と文字を連ねながら、頭の中ではそこに昔
ながらの呼び方のルビを振り、音読する。
 その方が通じるのだから仕方がない。現に、エルも古い地名が持つイメージ
から、ブライトの言わんとしていることを汲み取ることができた。
 都に近い港町は、各地から荷駄と人が集積する。港も町も人があふれかえり、
騒がしい。
 騒音の中では、指示を出す声もそれに答える声も、大きく簡潔でなければ相
手の耳に届かない。職場と町中の風習はそのまま家の中に入り込む。大人も子
供も男も女も、普段から怒鳴るような大声で会話するようになり、やがてはそ
れがその土地での「当たり前」となる。
 人の出入りの激しい土地柄であるから、特殊な「当たり前」はそれを見聞き
した人々が各地に伝える。よって、「西の方の北の港町」と言えば「喧嘩腰の
言葉」と、「山の方」の人間であるエルにもすぐに得心できるのだ。
 彼らが争いごとそしているわけでも、怒りを持って言葉を発しているのでは
ないということも同時に、である。
 これを「西部北西郡内務省港湾警備局特別行政区北地区」と言ってしまっては、
連想ができない。
 とはいうものの。
 納得がいったからといっても、すぐに慣れてしまえるものではない。
 エルは肩をすぼめるようにして、裏方達の横を通り抜けた。
 見知らぬ若者を見かけた裏方達は、一様に一瞬不審顔になった。直後、暗が
りに目をこらしてその「不可解な美しさ」を見いだすと、ある者は息を飲み込み、
あるいは嘆息し、ある者は口笛を吹いた。
 下品な声を掛ける者もいた。肩幅の広い、下腹の出た、一寸年齢のつかめな
い顔立ちの男が、ブライトに向かって
「金剛の旦那、その子はどこの流行子だい?」
 舌なめずりしながら言うその言葉の意味が、エルにはわからなかった。ただ、
ブライトが物も言わずに声の主の禿頭を殴りつけたのを見て、どうやら相当に
「佳くない言葉」なのだろうということは理解した。
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