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 ゜┗━┛         2006年09月16日号 通巻 196号 ┗━┛゜
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の発行人、銀凰です。

 早速本日の会報をお楽しみ下さいませ。
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◇本日の目次…
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 ▲オススメメールマガジン&HP紹介
 ◆連載小説…流河 晶 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第8回
 ◆連載小説…神光寺かをり クレール光の伝説・古の【世界】 第26回
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◇メールマガジン紹介
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☆「知られざる・・・ナースができるまで!」
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◇連載小説 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第8回    作:流河 晶
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 宇宙服のナビシステムに従い、目的地に近づくと、ジェベル・クレイブ班長
が手を上げた。
「こちらです、キャップ」
「……これか」
 船長は、転がっている物体の一つに、かがみ込んだ。
「はい。さっき映像でご覧に入れた通り、中は空っぽなんですよ、どれもこれ
も」
「……ふむ。装甲はかなり磨耗(まもう)しているな、砂嵐のせいだろうが」
「そうですね。ここを中心に、かなり広範囲にばらまかれてますよ、この……
空っぽの人形みたいなものは。何なんでしょう、一体……」

 スミスは首をかしげた。
「……わからんな、俺も長いこと宇宙船乗りをしているが、こんなアンドロイ
ドを見たのは初めてだ。
 ともかく、資料として数体をN.B.に持ち帰り、詳しく調べるしかないだろう。
状態のいいヤツを二、三体、着陸船に運び込んでくれ」
「分かりました。おい、誰か」

 クレイブが班員に命じている間に、スミスは立ち上がり、周囲を見回した。
「ふむ……。ここはくぼみになっているから、砂嵐に持っていかれずに済んだ
のだな。そして、今回のグレートサンドストームで、砂だけが飛ばされて出て
きたわけか……? 全部が、あのドームの方を向いて倒れているようだが……
おや」
 よく見ると、アンドロイドに混じって、様々な武器を搭載(とうさい)した
戦闘用機械の残骸(ざんがい)も、たくさん転がっている。

「キャップ、戦争があったってのは、やっぱ事実なんですね……このアンドロ
イドも戦闘用だったんでしょうか」
「そうかもな」
 テッドの問いかけに、あいまいにうなずいて見せ、船長は声を張り上げた。
「──よし、第三班! アンドロイドを運んだらここはもういい、調査範囲を
広げろ。俺とテッドはドームに行ってみる」
「了解。お気をつけて」

 クレイブに見送られ、船長は新米クルーを連れてドームに向かった。
 半球形の外壁は一部分、外から途方もない力を加えられたらしく、内側に
向かって大きく口を開けていた。その裂け目から、中に入る。
 ドーム内部に林立する、かつては壮麗(そうれい)さを誇ったに違いない建造
物群は、気の遠くなるような長い期間、砂嵐に削り取られたためなのだろう、
見るも無残な廃墟(はいきょ)と化していた。

 スミスはその一つ、まだ未調査の建物に入ってみた。すべての物が砂にまみ
れ、または埋もれてしまっている。
 その時、宇宙服の通信機に連絡が入った。
「キャップ、第一班です。地下へ通じているらしい階段を発見しました。
派手に破壊されてますが、何とか降りていけそうです」

「分かった、すぐ行く。
 ──全クルーに告ぐ! ドーム内で、地下へ通じる通路が発見された。全員、
一旦調査を打ち切り、現場へ集合せよ!」
「そっか、やっぱ地下都市があるんだな! 生き残りもいるかもしれない!」
 飛び立つような勢いの部下を、船長はたしなめた。
「可能性は薄いな、テッド。そう逸(はや)るな。あまり期待しないことだ」
「そうですね、でも、急ぎましょう、キャップ!」
「慌てると転ぶぞ」
「大丈夫です!」
 ともかく彼らは足早に建物から出、ナビシステムに従って地下通路の入り口
へと急いだ。

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登場人物の設定に悩んだときなどに使うとおもしろいかもしれない。
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◇連載小説 クレール光の伝説・古の【世界】 第26回  作:神光寺かをり
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「早々にこの村から立ち去るおつもりだと」
 エル・クレールは小さな声を出した。
「最初はそのつもりだったがね……あんな処に妙なモノを見ちまったからには、
そうもいくまいよ」
 ブライトのあごが、芝居小屋の方を指した。
 彼の立ち姿は、相変わらず疲れ果てた下男そのものだったが、しかし口ぶり
には普段通りの力強さがあった。
 この声音を聞いて漸くエルは、彼の「力ない足取り」が、落胆のためではな
かったのだと気付いた。……かれは魯鈍な従者になりきっていたのだ。
 そのことはしかし、エルには胴でも良いことと思えた。
「観劇なさるということは、あの勅使の方と同席すると言うことですよ?」
 貴族嫌いのブライトに、エルは念を押す。
「連中が来るのは、宵の口になって『連中に見せるための芝居』の準備ができ
てからだろうよ。こっちは、その前に床下を覗いて、すぐにオサラバって段取
りさ」
「つまり、お芝居は観ないと?」
 エルは少々落胆した。同時に少しばかりの不安を感じた。
 ブライトは「覗く」などと気軽に言ったが、おそらくその程度では済むまい。
 エル・クレール
 グラーヴ卿の一行が「視察」に来るまでの間に
『事が済めばよいのだけれども』
 それを口には出さず、彼女はブライトの顔をじっと見た。
 すると、
「芝居に行くとは言いやしたが、観るとは言っちゃいませんぜ、姫若さま」
 ブライトは急に口調を変え、恭しげにぺこりと頭を下げる。
 その頭がわずかに動いた。彼女に背後を見るように促しているのだ。
 エルは体ごとくるりと振り向いた。
 背が低く、痩せた「大人の格好をした少年」が一人、立っていた。
 いやよく見ればそれは、小柄な「男の格好をした若い娘」だった。
 小さく丸い顔にうっすら白粉がのっている。唇にも少々くすんだ色ではある
が、紅を引いていた。
 長い黒髪は後ろで丸く結いまとめ、それを黒い絹で包んであった。
 娘は、天空から目に見えぬ糸でぴぃんと吊されているような、あるいは、背
筋に硬質な芯が一本通っているような、まっすぐな姿勢で立っている。
 背筋を伸ばして立ったまま、彼女は驚きに大きく目を見開いて、エルを見て
いる。
 黒い瞳は、エルの足下から頭のてっぺんまでを、何度も往復した。
「なにぞ、ご用か?」
 エルが穏やかな口調で声をかけると、娘は耳の先まで紅潮させ、その場に膝
を折ってひれ伏した。
「お許しを。どうぞお許しを。若様のお姿がこの世のものとは思われずに、思
わず見とれてしまいました」
 阿諛追従≪あゆついしょう≫の言葉はエルのもっとも苦手とするものだった
が、目の前の娘にはへつらいのいやらしさは見えない。
 エルはため息を一つはき出し、
「確かに私はよく『この世の人ではなく、化け物の同類だ』と言われる。『世
の中のことを少しも理解していない、並の人間以下だ』とも」
 ちらりとブライトを見た。
 エル・クレールらしからぬ、冗談めいた嫌みに、彼は苦笑いした。
 顔を上げた娘は、エルの白い顔をじっと見、
「わたしは……本通りの酒屋さんに姫様のように美しくて、将軍様のように強
い若君様が居て、こちらに向かってきていらっしゃるはずだから、その方をこ
の小屋へご案内するようにと。……その方は大変な大男を子供のようにあしらっ
たと言うので、美しいとは言っても多分とてもお強そうな方だと思っておりま
した。……私が顔を知らないと言ったら、マイヤーさんが、白銀色で亜麻のよ
うにつややかな御髪だから、どこにいらしてもすぐ見つかると教えてくれたの
で、きっとあなた様がそうだと思いまして、お声をかけようかどうしようかと
悩んでおりましたら、あなた様から急にこちらを向かれたので、とても驚きま
した。それにお顔が、考えていたのとは違っていましたし、足運びが上等の踊
り子よりも美しくて……」
 しどろもどろに言う。赤い頬はますます赤くなり、最後にはとうとうのぼせ
て頭がふらつき始めた。
 あわててエルが彼女の肩に手を伸ばした途端、娘は体全体を大きく一度だけ
痙攣させた。両の手を胸の前で合掌させた格好で、彼女の体は硬直している。
 男装した娘の細く軽い体は、棒のように固まった状態で、ふわりとエルの腕
の中に倒れ込んだ。
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