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 ゜┗━┛         2006年09月08日号 通巻 195号 ┗━┛゜
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の発行人、銀凰です。

 ここ数日、当方のメールの受信状況に原因不明の不調が頻発しております。
 このため、メールの送受信に漏れがある可能性があります。

 最近一週間に発行人にメールを送信したが返信がない、
 という方がおられましたら、
 お手数ですが再度ご連絡を御願いいたします。

 早速本日の会報をお楽しみ下さいませ。
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★文芸同人「主婦と創作」ではあなたの作品のご投稿をお待ちしています。
投稿は専用メールフォームで。(http://mm.9no1.gozaru.jp/mmagazine.html)
投稿に際しては投稿規約(http://mm.9no1.gozaru.jp/03.html)必読です。
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◇本日の目次…
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 ▲オススメメールマガジン&HP紹介
 ◆連載小説…流河 晶 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第7回
 ◆連載小説…神光寺かをり クレール光の伝説・古の【世界】 第25回
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◇メールマガジン紹介
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 毎日、すてきな言葉のちょっとした雑学と癒しをお届けします。
    『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』
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「アトリエ雑記…肖像画職人の徒然草」

山里の片隅の梅林のそばに建つ150年昔の農家をアトリエに、
日々画業に専念するかたわら
思いつくままの事柄を気負わずに書き綴っております。
心に止ったモチーフを写生するようなフィーリングと言えば
分って頂けるでしょうか。
ぜひ読んでください。 http://www.magachan.com/maginfo.php?id=204&fid=56

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◇連載小説 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第7回    作:流河 晶
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 スミスを始めとする着陸船に居残った第五班の面々は、何も手につかず、
第三班による次の報告を待った。

 緊迫した数分間が過ぎた後、安堵(あんど)したような声で連絡があった。
「キャップ、第三班です。岩場に到着しました。
 いや、よかった……安心して下さい。これは人間の死体じゃありません。
精巧なアンドロイドのようです」
 スクリーンには、明らかに人工物と分かるものの腕を取り、こちらに向かっ
て振って見せているジェベルの姿が映し出されており、スミス以下、クルー達
は胸をなでおろした。

「どうしてここに、こんなにたくさん放置されているんだか分かりませんが、
ともかく、詳しく調べてみます」
「分かった。慎重にな」
「了解」

 ややあって、ジェペル・クライブの通信が再びスピーカーから流れてきた。
「……第三班です。ご覧下さい、キャップ、このアンドロイドはずいぶんと
奇妙な構造をしています。長い間放置されていたからか、内部は簡単に覗けた
んですが……胴体の中には、電子部品や装置らしきものは一切ないんです。
 ……それどころか、完全な空洞になっています。一体どうやって動いていた
んでしょう……?」
 クライブの声は隠し切れない当惑の響きを帯びており、着陸船内のメンバー、
誰もが唖然(あぜん)とした。

「そんな馬鹿な……」
「空洞だって……!?」
「いくらニ千年経っていても、何かは残っているはずだろう……」
「見落としたんじゃないのか?」
 残っていたクルー達は口々に言い、映像に目を凝らしたが、たしかにその
アンドロイドの内部には配線や電池、集積回路等はおろか、駆動(くどう)装置
らしきものさえまったく見当たらず、陶器のように滑らかだった。
 頭部も同様に、何も入っていない。

「……これだけが、たまたま空なんじゃないのか?」
 テッドが口をはさむと、クライブは否定の身振りをした。
「見ろよ、どれも同じだ。多分、ここにあるのは全部……」
 そして班員によって解体されていた、いくつかの人型を指し示した。
「………」
 そのすべての中身が、ものの見事に空であり、テッドは目を白黒させていた。

「よし、分かった。そのまま調査を続行してくれ、クライブ。
 直接見てみたい、これから俺もそっちに行く」
「了解しました」
 スミスは特に動揺はしなかったものの、興味を惹(ひ)かれ、自分も行って
みることにした。
「第五班、後を頼む」
「お気をつけて、キャップ」

 ヘルメットを着用しながら着陸船を出ようとした彼は、新米クルーのすがる
ような眼差しに気づいた。
「……ああ、お前も行ってみるか? テッド」
「──はい、キャップ!」
 テッドは眼を輝かせてヘルメットを引っつかみ、大急ぎで船長の後に続く。
 もし彼に尻尾があったなら、犬のように振っていたところだろう。

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◇連載小説 クレール光の伝説・古の【世界】 第25回  作:神光寺かをり
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 件の芝居小屋の地面の下から、ぬっと突き出ている。
 生白く細い、しかし妙に力強い腕の形が、彼女の夢の奥底に潜み、脳漿に焼
き付いていた「男の腕」とぴたりと重なる。
 黒い爪を持つ指先を極限まで開いた掌が、グンと一息に迫ってくる。
 現実ではない。それは理解している。
 だが、掌が顔面を覆う息苦しさ、爪がこめかみに食い込む苦痛、頭蓋を砕く
かれる恐怖を、彼女は予感してしまった。
 エルは己の体を己で抱きしめた。
 小振りで丸い頭骨に、大きな掌が乗った「現実の感覚」に、彼女は息を詰ま
らせた。
 大きく見開かれた双眸の前に、男の顔がぬっと現れた。
 エル・クレールの肩は大きく揺れた。
 半分ほどまぶたを閉ざした黄檗色の目。その向こう側に、澱んだ赤い目が、
ぴたりと重なって見える。
 思わず目を閉ざし、頭を振った。
 再び目を開いたときには、黒い爪も赤い目も見えなくなっていた。
 見えなくなったことに安堵した彼女は、ほっと息をついたが、直後、
「何故あのように見えた……?」
 つぶやくのを聞いたブライトは、その言葉の意味を、
「普段と違った勘の働き方をした」
 と受け取った。
「いくらか調子が戻ってきたか。めでてぇことだ」
 言いつけを守った飼い犬にするような、乱暴さで彼女の頭をごしごしとなで
回したのは、安堵の表れだ。
 エルは「そうではない」と言いかけて言葉を飲んだ。
 悪夢に見た鬼≪オーガ≫の幻と、鬼≪オーガ≫を退治する立場の、ハンター
など呼ばれもする人間とが「似て見えた」なとということを、当の本人に向かっ
て言えるはずもない。
 もっとも、それを言ったとして、ブライトは腹を立てたりはしないだろう。
 いつだったか彼は「オーガとハンターは、突き詰めれば同類」であると言い
切ったことがある。
 共々、常人と掛け離れた力を手に入れた存在であるから、というのが彼の
「考え」であるらしい。
 二つのモノの違いは、望んで……場合によっては望んでいなかったのに……
手に入れてた力に、飲み込まれてしまうか、制御できるか、その違いでしかない。
『酒呑みみてぇなもンだな。酔って暴れたがるやつと、そうでないやつとがい
る。……白面≪しらふ≫のやつから見れば、両方ともひとくくりに「酔っぱら
い」さ』
 ブライトは白面のやつ立場にいる可のごとき口ぶりで嘲笑する。
 嘲りの対象は、後者の酔っぱらいの一人である自分自身に他ならない。
 そういう考えの持ち主であるから、エルが
「幻に見たオーガが貴方に似ていました」
など言ったとしても、
「ふぅん」
 さも当たり前のことと言わんばかりに、鼻で笑うのみに決まっている。
 それが嫌だった。
 そちらの方面に関する彼の知識は、彼女の尊敬するところではあるが、この
ことのみは承伏しかねる。
 エル・クレール=ノアールもハンターなのである。
 ブライトの理論で言えば、彼女もまた「オーガと同類」ということになる。
 すなわち、彼女の父の命を奪い、故国を壊滅させ、母をいずこかへ連れ去っ
た、憎い仇敵の同類ということになるのだ。
 それはだけは、認めたくない。
 エルは口を真一文字に結んだ。
 彼女が返事も反論もしないことを、ブライトは不審がらない。
 筋のいい弟子で、可愛い妹分で、からかうとおもしろい玩具で、見込みの薄
い片恋の相手で、信用する相棒である彼女の考えていることは、すべてお見通
しのつもりでいる。
 この「つもり」の半分ほどはどうやら的を射ているが、残りは過信であり見
当違いだった。
 ブライトはエルが
『見えなくなっていたものが、急に見えるようになった』
状態だと見ている。
『真っ暗闇に目隠しの状態を不安がっていたら、唐突に炎天下に突き出されて
目がくらみ、困惑している』
ようなものだ、と思っている。
 それならば放っておいても問題はない。直に目も慣れる。むしろ、喜ばしい。
「快気祝いに芝居にでも連れて行ってやろう」
 ブライトはニタリと笑った。
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