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゜。┏┫☆テキスト系創作メールマガジン 文芸同人主婦と創作☆┣┓。゜
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 ゜┗━┛         2006年09月02日号 通巻 194号 ┗━┛゜
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 まだまだ暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の発行人、銀凰です。

 早速本日の会報をお楽しみ下さいませ。
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★文芸同人「主婦と創作」ではあなたの作品のご投稿をお待ちしています。
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投稿に際しては投稿規約(http://mm.9no1.gozaru.jp/03.html)必読です。
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◇本日の目次…
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 ▲オススメメールマガジン&HP紹介
 ◆連載小説…流河 晶 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第6回
 ◆連載小説…神光寺かをり クレール光の伝説・古の【世界】 第24回
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◇メールマガジン紹介
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「20代メルマガ作家〜愛と夢と魔法の48の言葉〜」

ありきたりな話はつまらない……。 私は正直そう思っていました。
だけど、ありきたりだからこその良さがあるんですね。
そんな小説・エッセイ・詩・レビューをあなたのもとに届けられますよ。
ぜひ読んでください。 http://www.magachan.com/maginfo.php?id=313&fid=56
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◇連載小説 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第6回    作:流河 晶
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『N.B.暦1997年2月29日

 ありがたいことに自分の読みが的中し、ついに砂嵐はやんだ。
 一時はどうなるかと思ったが、あの嵐は一つ、いい事をしてくれた。今まで
砂に埋もれて見えないでいたドームらしきものを、掘り起こしてくれたのだ。
 人工物があるところを見ると、やはりこの惑星が母星であると見て間違い
ないだろう。降下地点を変更し、まずはこのドームを調査することとする。
 ついに、記念すべき母星(おそらくは)への第一歩を記すことになると思うと、
やはり感慨(かんがい)深い。

 しかし、探査ロボットの映像で見た地表の様子は、核戦争で滅んだと考える
には多少違和感がある。放射能が消えているのは当然としても、核ミサイルが
着弾したクレーター痕(こん)などは、ほとんど見当たらないのだ。
 二千年の間に、あのグレートサンドストームが、戦争の傷跡をすべて消して
しまったのだろうか。

 乗組員は全員良好。喧嘩騒ぎに近いことが一度あったが、さほど根の深い
ものではないようだ』


 日誌を書き込んだ後、着陸船に乗り込み、無事に惑星の地表へと降り立った
スミス船長は、さっそく乗組員達に命じた。
「よし、予定通り、第一班と第二班はドーム内部、第三班と第四班はドーム
周辺を調査。第五班は着陸船で待機だ」
「了解!」

 しかし、開始された調査は、最初から衝撃的なものとなった。
 一時間後、慌(あわただ)しい口調の報告が着陸船に飛び込んできたのだ。

「──こちら第三班! 大変です、キャップ!
 ひ、人の死体です、しかも大量に!」
 クルーからの報告に、スミスは冷静に応じた。
「落ち着け、第三班。映像を送れるか?」
「は、はい、今、映像を送ります」

「──わあっ!?」
「そ…そんなバカな!?」
「どうして……!」
 一瞬後、固唾(かたず)を飲んでモニターの前に張り付いていた乗組員達の
口から、悲鳴にも近い声が上がった。
 彼らの眼に映ったのは、崖下に無造作に転がっている、無数の人間の死体
だったのだ。

「ご、ご覧になれますか、キャップ!
 ひ、人が……人間が大勢倒れているんです、すぐ下の岩場に!」
「ああ、ちゃんと見えている。現場に近づけそうか?」
 狼狽し切っている第三班の班長に対し、あくまでも平静に船長は尋ねた。
 その声に、パニックを起こしかけていたジェベル・クライブも、次第に気分
が落ち着いてくる。

「は……はい、岩が階段状になっているところがあります、大丈夫、行けそう
です」
「よし、班員の半数が降下、残りは崖上で待機し、不測の事態に備えよ。
 気をつけろよ、ジェベル。何かあったら、すぐに連絡しろ」
「了解、調査を開始します」

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◇連載小説 クレール光の伝説・古の【世界】 第24回  作:神光寺かをり
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 道なりに進むと、やがて村の中央広場へたどり着いた。村の人口規模には似
合わぬが、田畑の面積などを合わせた広さを考えれば妥当な大きさをもつ円形
の空間の真ん中に、岩に彫りつけた素朴な女神像が高々と立っている。
 この村はスカディ女神を村の守護者として祀っているのだろう。彼女の縁日
の祭りが近郷に比べてことさら盛大に行われるのも、村人達が時として女神と
同一視される皇后クラリスに深い親愛の情を抱いているのも、それ故のことと
考えれば頷ける。
 そのまま像の前を通り抜け、広場を貫く街道を進んで村から出る……ものだ
とばかり思っていたブライトが、彼女の足下でぴたりと歩を止めたのに、エル
・クレールは驚いた。
 背中を丸めたまま、彼は広場をぐるりと見回した。
 女神像が見下ろす場所に、芝居小屋が掛けられていた。円形広場の半分を占
める大きさは立派だろうが、テントも旗指物もみなあちこちに継ぎを当てなけ
れば使えない代物で、はっきり言えばみすぼらしい。
「こりゃ『末生り瓢箪』から一筆もらっているようにゃ見えんな」
 ブライトがつぶやいた。声音に安堵が混じっている、とエルは聞いた。
 嫌悪し、唾棄する相手にかけられていた疑念が晴れたのを、彼はむしろ喜ん
でいるに違いない。
 しかしそう指摘すれば、きっと
『兄貴に逆らうような度胸のある男ではないから、嫌いなのだ』
 などと、もっともらしい言い訳をするだろう。
『つまり、この人はアンチという名の信奉者なのだ』
 エルは彼が「フレキ叔父をある意味で信頼している」ことを嬉しく思ったが、
それを隠して、
「そのことを確かめるために、わざわざ?」
 その問いに対する返事はなかった。
 彼はエルに背を向け、絡まった針金のように強情そうな髪の毛に覆われた後
頭部を、ガリガリと掻いた。
「普段なら、おまえさんのそういう鈍さがたまらなくカワイイんだが、今日は
そうも言ってられンね」
 軽口のようにブライトは言うが、言葉の端になにやら重苦しいモノがあった。
「私が、何か『見落として』いる、と?」
 エルは彼の左に並ぶよう一歩前へ出ると、彼の視線をなぞった。
 背を丸め、うつむき加減で立つ彼の目は、地面に落ち込んでいる。
 見える地面ではない。芝居小屋の薄汚れた「壁」を突き抜けた先の地面だ。
 人間がの視力では、そこに何かを「見る」ことなど無理なことだろう。ブラ
イトの「目」とて、何かを「見ている」訳ではない。
 だが、彼はそこに「何かある」と感じている。
 心眼だとか勘だとか第六感だとか、そういう「能力」じみたモノが、そこに
ある何かの存在を感じ取らせている。
 その手の「能力」の鋭さだけを言えば、実のところエル・クレールの方がブ
ライトよりも優れている。
 彼女のそれは、鋭く細く、そして力強い刃さながらに鋭敏だ。
 無人の屋敷や戦禍の跡に息を潜め、姿を隠し、あるいは人間になりすまして
いる魔物がいたとして、彼女はその存在を感じ取ることができる。場合によっ
ては、それが「なんと名乗る物なのか」さえも見通すことができた。
 ブライトは彼女の勘の鋭さに何度か助けられたし、その幻視の的確さは信用
している。
 だが彼は彼女の「能力」そのものは全く信頼していない。
 なぜならそれは時として、見えている物にさえ気づかないほどの酷い「なま
くら」になるからだ。
 エルは自分の感覚が不安定なことを心苦しく思っている。
 彼女はブライトが「何かを感じ取った」その場所をじっとにらんだ。
 そこに何も発見できないことが情けなく、口惜しい。
「今日は特に間の抜け方が尋常じゃねぇな。……『末生り瓢箪』の名前にゃ、
そんな役に立たない『御利益』があるのかね?」
 ブライトがからかい半分に言う。
「あの方の所為ではありません……多分」
 反論するエルの語尾は弱々しかった。
「多分? 他に何か……」
 言いかけて、ブライトは口をつぐんだ。
 エルの全身が粟立っていた。
 見えてしまった……黒光りのする尖ったかぎ爪の影が。

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