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 ゜┗━┛         2006年08月26日号 通巻 193号 ┗━┛゜
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 毎日暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の発行人、銀凰です。

 早速本日の会報をお楽しみ下さいませ。
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◇本日の目次…
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 ▲オススメメールマガジン&HP紹介
 ◆連載小説…流河 晶 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第5回
 ◆連載小説…神光寺かをり クレール光の伝説・古の【世界】 第23回
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◇メールマガジン紹介
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限りなくクロに近かった…やんちゃくれ人世記
  やんちゃくれ タケルのお話し

やくざの親分を親に持ちその七光りを最大限利用してのし上がった男が転落、
最下位の生活の中で普通の女と結婚。
その女が語る、限りなくクロに近かったグレーな男の半生。
やくざ気質の高いプライドと普通とはちょっと違った感覚の持主の
面白おかしいヤンチャクレ人世記。

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◇連載小説 <ヴァンパイア・ゴーレム> 第5回    作:流河 晶
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『N.B.暦1997年2月27日

 あれから一週間が経つが、我々はいまだ、目星をつけた第三惑星への降下は
できずにいる。天候が急激に悪化し、やむなく着陸地点を変えようとしたのだ
が、嵐は予想外に勢力を増大させ、しまいには惑星全体にまで規模を拡大して
しまったため、待機を余儀なくされたのだ。

 超巨大砂嵐(グレートサンドストーム)とでも呼びたくなるようなこの嵐に
飲み込まれたら、華奢(きゃしゃ)な造りの着陸船など、一たまりもない。
 どうやら我々の母星は、“砂塵(さじん)の惑星”と化してしまっているよう
だ』


「キャップ、いつ降下するんですか?
 けど、こんな大嵐が吹き荒れるなんて、聞いてないですよ……っていうか、
前に探査船飛ばした時には、嵐なんか観測されなかったんでしょう?
 どうして俺達が来た途端、こんなでっかいのにぶち当たるんだか……」
 ぶつぶつテッドはこぼしたが、スミスは書きかけの航海日誌から眼を上げ
ようともしなかった。
「あれは、たかだか数ヶ月間この星を観測しただけだからな。
 今回は間が悪かったんだろう」
「だったら、手をこまねていないで、探査ロボットを下ろしてみませんか?」
 食い下がられて、船長はようやくペンを置き、日誌を閉じた。

「前にも言ったろう、それは無理だ。
 嵐自体の風速もすさまじいものだが、それ以上に危険なのが、この雷だ。
 スクリーンを見てみろ。強風により砂がこすり合わされ、発生した静電気が
雷雲を作り出し、その中で強力な放電が起きているんだ」
 スミスは、コックピット前方の大きなモニターを指差した。
 彼の言葉通り、惑星全体を覆う勢いで巨大な黒い嵐が幾つも渦を巻き、その
内部に青白く、いくつもの稲妻が走っているのが見える。

「これは画面だから小さく見えるが、惑星規模で起きている巨大嵐だ。こんな
ものすごい風と雷に見舞われたら、ちっぽけな着陸船など、即、空中分解して
しまうぞ。
 それに、たとえこれらをかいくぐって何とか着陸に成功したとしても、一歩
船外に出た途端、ロボットは稼動(かどう)部分…手や足の関節に細かい砂が
詰まって、あっという間にスクラップだ。
 ……まあ、気長に待つことだな、テッド。一旦外宇宙に出てしまえば、定期
船のように時刻表通りには行かないんだぞ、分かるだろう」
 彼は噛んで含めるように、経験の浅い乗組員に説明してやる。

「……分かりましたよ、キャップ」
「そんなにがっかりするな」
 肩を落とすクルーを、彼はさらに慰めた。
「お前の気持ちはよく分かる。俺だって焦りを感じないわけじゃない、予定の
日数をあまり超過するわけにも行かないからな。本調査が控えているんだし」
 すると、テッドは勢いよく顔を上げた。
「そ──そうなんですか? キャップでも?」

 船長は苦笑した。
「でもとはなんだ、俺だって、一刻も早く降りて行きたくて、うずうずして
いるんだぞ。だが、焦ったところで仕方がないだろう?
 それにな、おそらく……これは勘に過ぎないが、この嵐は長続きしない気が
する。たまたま運悪く、砂嵐が吹き荒れる時に当たってしまっただけだろう」
「だといいんですがね……」
 テッドはつぶやき、食い入るように前方の大画面を凝視した。
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◇連載小説 クレール光の伝説・古の【世界】 第23回  作:神光寺かをり
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 ブライトは「体中の関節という関節がすべてはずれたような」という比喩が
大仰ではないほどに脱力ししきった状態でようやく立っていた。
 うつむいて、口の中で
「男の格好をしている娘の方が、世間様じゃよほど『変態』扱いされるってぇ
のに」
などという繰り言をモゾモゾとつぶやいている。
「自覚してますから、私は」
 エルはくすりと笑った。
 実際、彼女は自分が「妙な生き物」であると言うことを自覚している。
 もし己が男であったとして、エル・クレール=ノアールという娘を妻にせよ
と言われたとしたら、
「後生だから勘弁してくれ」
と叫んで逃げ出すに違いない、と確信していた。
 彼女にの持つ「女性」の定義は、
『穏やかで従順で、ふんわりと柔らかな美しさを持った、我が母のような人』
だった。
 従って、血の気が多くて強情な化粧気のない自分自身は
『女とも呼べぬ奇妙な生き物』
以外の何者でもない。
 なにぶん彼女は封建社会の姫君である。その常識を覆すことはできない。
 その常識を持っていながら、しかし、彼女は男装や剣術を止めてしまうこと
ができない。
 それは彼女の真面目な性格の故だろう。
 女として生きるなら、己の思うところの「理想の女性(つまり母親のような
良妻賢母)」であらねばならないと考えている。
 しかし自身がその理想に近づくことは
『感情の起伏が激しくて、自己主張が強くて、背ばかり高くなるのに少しも大人
と認めてもらえない己には、到底無理なこと』
に他ならなかった。
 ブライトは恨めしそうな上目遣いをエル・クレールの含み笑い向けた。
「耳がイイ上に性格もイイと来てやがる」
 彼は幽鬼のごとく両肩をだらりと落とし、身をかがめて大通りへ歩き出た。
 あからさまに様子が怪しいのだが、道行く人が彼に気を止める風はなかった。
 人々には呑み食い屋が酒を只酒を振る舞っているという「事件」だけが見え
ている。仮に彼に目を止めた者がいたとしても「振舞酒を飲み過ぎた酔っぱら
い」程度にしか見えないだろう。
 確かにそう見て取っておかしくないふらふらとした足取りで進むブライトの
後を、エル・クレールもまたゆっくりと付いて歩いた。
『この騒ぎに乗じて、村から出てゆくつもりでしょうね』
 エルは少しばかり残念に思っていた。おそらくは本人のそれではないだろう
が、好意を持っている叔父の名前が掲げられている演劇を、観てみたかった。
 たとえブライトが拒んでも、無理矢理に芝居小屋に入ってしまえばいいと
(そうすれば、彼は文句を言いながらも一緒に観劇してくれるだろうとも)考
えていた。
 それもこういう状況になっては無理だろう。
 エルが思うに、ブライトはヨルムンガント・フレキ=ギュネイの名以上に、
皇帝の勅使達のことを良く感じていない。
 この男と来たら、元々ひどい役人嫌いだ。よく働く小吏は別として、虎の威
を借る狐のごとく威張り散らすばかりの連中に対しては、軽蔑以外の感情を抱
くことはない。(だからこそ、そういった連中をからかっては面白がるのだが)
 皇帝の勅使などという「特級品の虎の威」を借りているグラーヴ卿の一行と、
一緒に芝居小屋の中に入ることなど、彼にとって「もってのほか」の筈だ。
 エル・クレールはふらふらと進む男の背中に、小さなため息を投げかけた。
 道は村の中心の広場に向かっている。そこは祭りのメイン会場であり、件の
旅一座が芝居小屋を架けている場所でもある。
 道がそこに向かうことは仕方のないことだ。この街道は村の真ん中、広場を
横切って突き抜けて通る一本道なのだから。
 脇道はいくらかあるが、くねくねとしたそれをたどってゆけば、結局はこの
本通りに戻ってくる。畑の真ん中を突っ切るのでなければ、これを通らないこ
とには村を抜けることができない。
 逆を言えば、畑や他人の家屋敷の庭先を突っ切ってしまえば、この道を通る
必要はないのだ。いつものブライトであれば、迷うことなくそういうイリーガ
ルなルートを選ぶ。
 当然、エルはこれを止めるが、これも普段通りの彼であれば無視して進むだ
ろう。
 あるいは、抗議する彼女を無理矢理に抱え上げるなり担ぎ上げるなりして、
あぜ道や畝の間を駆け抜けたに違いない。
 ところが、今日に限って彼はそういう破天荒だが理に適った道を進まなかった。
『本通りを最短ルートとみておられるのか』
 少しばかり疑問におもいながら、エルは彼の後に従って歩いた。
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