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 ゜┗━┛         2006年06月24日号 通巻 184号 ┗━┛゜
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の発行人、壊れたPCから何とかデータを救出
しようとしたものの無駄な努力に終わり、気分が日本海溝の奥底まで沈み込ん
でいる銀凰です。

 早速本日の会報をお楽しみ下さいませ。
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◇本日の目次…
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 ▲オススメメールマガジン&HP紹介
 ◆連載小説…流河 晶 夢つむぎ 第11回
 ◆連載小説…神光寺かをり クレール光の伝説・古の【世界】 第16回
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◇オススメメールマガジン・Webサイト紹介
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◇連載小説 <夢つむぎ> 第11回       作:流河 晶
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「え? 支度って、何の?」
 僕はきょとんとした。
「こちらの魔法陣にお入りください、イサム殿。
 ちゃんと生きたまま、元の世界にお返し致しますよ」
 天使が言った。見ると、緑の光を発する魔法陣が彼の後ろにある。
 僕が独りでバカやってる間に、イーサと入れ替える準備はとっくに終わって
いたんだ。

 僕はうれしくて飛び上がった。
「やった、ついに帰れる!
 そうだ、天界との戦争、勝てるといいな。応援してるからって、イーサにも
言っといて」
「ありがとう、必ず伝えるよ」
 浮かれ気分の僕に、モロスが微笑みかける。
 そうすると、ジイちゃんに笑いかけられてるみたいで、ちょっと不思議な
気分。
「いつかきっとキミに、夢で我らの勝利を知らせることができるだろう。私も
また“夢をつむぐ者”……つまり、夢魔だから……ね」
「うん、楽しみにしてるよ。それに僕、モロスのこと、化け物だなんて思って
ないから」
 僕が彼に笑みを返すと、モロスの微笑は深くなった。

「──さて、後はこの呪文を唱和することで、お二人を元にお戻しできます。
いかがでしょう、モロス様、少々難解ですが……」
マステマは、古びた革表紙の大きな魔法書を取り出して、モロスに手渡した。
「581ページ、第5章の項目2です」
「分かった」
 彼はそれを机に置き、目的のページを開くとざっと眼を通した。
 覗いてみたけど、見たこともない文字が並んでいて、全然読めない。
 ……当たり前か。
 やがて彼は眉を寄せたまま、顔を上げた。
「ふぅむ……さすがは禁忌の呪文。……一筋縄では行きそうもないね」

「そ…そんなに難しいのか?
 今になって、帰れないなんて言わないでくれよ?」
 彼の様子に、僕はちょっと心細くなってしまった。
 モロスは難しい顔をやめ、またもにっこりした。
「心配無用だよ、歯が立たないほどではない。魔界王家にも、禁呪の書は
いくつか伝わっているからね。
 ──さあ、お別れだ、イサム。あちらの世界で元気で暮らしなさい、息子
よ」
 彼は手を差し出し、僕らは硬く握手をした。
「うん、ありがとう!」

「さようなら、イサム。体に気をつけてね」
 ヴェガが、ほっぺたにキスしてくれて、僕はまたちょっとドキドキ。
 マステマは優雅にお辞儀をした。
「イサム殿、お会いしたばかりでもうお別れですが、お達者でお過ごし下さい
ませ」
「うん、さよなら。皆も頑張ってな。絶対勝てるって、信じてるぜ!」
 僕は手を振り、足取りも軽く、新しい魔法陣に入った。

「では、始めよう」
 モロスが言い、マステマがうなずく。
「はい」
 天使とは呼べない天使と、悪魔とは呼べない悪魔は、一緒に呪文を唱え出し
た。
「異なる宇内(うだい)と宇内を結びし八紘(はっこう)の精霊よ。我ら伏して
乞い願い奉(たてまつ)る。
 イサムとイーサ、かの二人を、元なる宇内(うだい)へと戻せしめ給え!
 ──レディーレ・レウェルティ!」

 魔法陣の光の点滅が激しくなり、徐々に辺りがぼやけてくる。次いで景色が
ぐるぐると回転し始め、僕の意識は遠のいていった。
 そうして次に目覚めた時、僕はあっちの世界のことをすべて忘れてしまって
いたんだ。

 ……でも、なぜ、忘れちゃってたんだろう?
 モロスがやったのか、ひょっとして? 煩(わずら)わせないようにって……。
 それとも、僕が彼を怖がっていたから……?

「……あ、そっか。さっきの夢は、魔族が勝ったぞって知らせだったんだな、
よかった!」
間抜けな僕は、今になってようやくそれに気づいた。
「──あっと、いっけね、講義に遅れる! 落としたくないんだよな、この
教科!」
 大急ぎで僕はズボンに足を突っ込み、ディパック背負うとパンをくわえ、
アパートを飛び出した。
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◇連載小説 クレール光の伝説・古の【世界】 第16回  作:神光寺かをり
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「害成す虫とて、ただ踏みつぶしてよいとは限りません。断末魔に穢れた飛沫
をまき散し、お召し物を汚されては、閣下もますます面白くないでしょう」
 エル・クレールは視線を一瞬だけ尻餅を突いている男の顔に落とした。
 見られたマイヨールには、その眼差しがまるで2つの濡れ光る翡翠の珠のよ
うに見え、思わず生唾を飲んだ。
 グラーブ卿もやはり一瞬彼を見た。
 こちらの眼は小さなヘム石の鏡に思え、マイヨールは何故か寒気を憶えた。
「一理あるわね」
 視線をエルに戻したグラーブ卿は薄く笑い、
「けれども、あたしには身に穢れが降りかかろうとも、毒虫を踏み潰さねばな
らない義務があるのよね」
小さく頸を傾けた。頭の横に双頭の蛇を縫い取った、重そうな旗指物が揺れている。
「坊やにはそれを止めるだけの権限があって?」
「それは……」
 言葉に詰まったエルは、直後、金属がふれあう小さな音を聞き、同時に己の
尻に何か硬さのあるモノが触れてもぞりと動くのを感じた。
 そして、そのもぞりと動いたモノが大声を出した。
「ハイ、旦那様。どうもオレっちの姫若様は血気の盛んなもので、ええ。こん
なに綺麗な顔をしているってぇのに……それですから姫若様なんて呼ばれるン
ですけれど」
 大柄な男が一人、卑屈に頭を下げながら、腕を振り上げていた。
 ブライト=ソードマンである。
 満面に人当たりの良さそうな笑みを浮かべた彼は、広い肩幅を窮屈にに縮ま
せ、高い上背を無理矢理に丸めて、不自然に身を小さくしている。
「兎も角、オレっちの姫若様は、事の後先を考えずに飛び出すのが悪い癖で、
後を始末して歩くのが、そりゃもう苦労で苦労で」
 節くれ立った手の中に、金属の塊が一つあった。平べったい台座は銀色で、
表面に緻密で豪華な意匠が彫り込まれている。
 その意匠はグラーブ卿の頭の後ろで揺れる「錦の御旗」に描かれた紋章とよ
く似たデザインだった。
 いや、よく似てはいるが、しかしよく見ると大きく違う。
 卿の持つそれは双頭の蛇を描いているが、ブライトの持つそれは双頭の龍……
蜥蜴じみたそれではなく、鬣(たてがみ)と手足を持つ蛇のような……を描いている。
 グラーブ卿は頬骨を覆う皮膚をひくりと痙攣させた。しかし、
「ご同業?」
と訪ねる声音に動揺らしきものは感じられない。
 エルは小さく
「そんなところです」
と答え、その傍らでブライトは、道化人形のような笑顔のまま二度三度うなずいた。
「ふぅん……」
 グラーブ卿は、下ろしていた右腕を宣誓式の儀礼作法のように持ち上げた。
 それを合図に、イーヴァンはゆっくりと剣を退いた。苦々しげに舌打ちする
ことを忘れててはいない。
 エル・クレールも剣を退いた。ただし、すぐさま抜刀できると示すため、剣
をイーヴァンの視線の中に置いている。
「お名前を伺おうかしら? アタシはアタシ達と別行動をとらされているお仲
間の情勢には、疎いのよね」
『エル・クレール=ノアール』
 と、エルが名乗ろうとするのを、ブライト・ソードマンの大声が遮った。
「ガップのエル=クレールさまでさぁ」
 彼はことさら『ガップの』を強調して言う。
 周囲がざわめいた。
 さすがにその地名を聞けば、グラーブ卿も驚きの表情を浮かべざるを得ない。
 マイヨールはぽかりと口を開けて、瞬きを繰り返しながらエル・クレールを
見上げた。
 しかし、一番驚愕しているのはその彼女であった。
「ブライト、それは……」
 違うと言いかけるのを、また彼は大声で遮る。
「ウチの姫若さまは、あちらでは随分と古い古い家柄の姫若さまで。
 どのくらい古いかってぇと、ガップのお殿様よりも古くからで。
 そんな訳ですから、ガップのお殿様にもよくして頂いておりやした。
 だからね、ガップのお殿様がどんなモノをお書きになったかもよく知ってお
りやすよ。
 大丈夫、大丈夫。あのお殿様はそれほど馬鹿者ではありませんて。
 グラーブの旦那を怒らせるような書きを外に出す訳がない」
 鈍な愚者さながらの要領を得ない物言いをする彼に、エルは呆れのため息を
吐いた。
『ああ、やっぱりとんでもない悪戯をしようとしている。あんな大法螺を吹い
た上に、役者の前で大袈裟に演技までして……』
 もっとも、回りの者にはそのため息の真意は知れないだろう。ただ「魯鈍な
従者に呆れている」ぐらいに見ているだけだ。
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