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 ゜┗━┛         2006年04月29日号 通巻 176号 ┗━┛゜
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の発行人の銀凰恵です。

 では早速今週の作品をどうぞ。
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◇本日の目次…
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 ▲オススメメールマガジン&HP紹介 
 ◆連載小説…流河 晶 夢つむぎ 第6回
 ◆連載小説…神光寺かをり クレール光の伝説・古の【世界】 第11回
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◇連載小説 <夢つむぎ> 第6回       作:流河 晶
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「ご懸念はご無用でございます、皆様」
 その声と共に、純白のローブをまとった人影が、魔法陣から歩み出た。
 頭上に輝く金の輪、背中の白鳥みたいな翼、その間を滝のように流れ落ちる、
まぶしい金髪。整った顔立ち。アクアマリンの瞳は、見つめていると吸い込ま
れてしまいそうだ。
 一目で天使とわかる姿に、モロスはさっと表情を引き締めた。
「来たか、マステマ」

 天使は、うやうやしくお辞儀をした。
「はい。お久しぶりでございます。魔界王弟“紅の貴公子”モロス殿下、並び
に、ファイディー国女王、ヴェガ・ボウナ・ファイディーズ十二世陛下。
 ご両名様には、ごきげん麗しく……」
(──えっ、モロスは、魔界の王様の弟だったのか。
 どーりで、気品があるって言うか、ヴェガとお似合いだったわけだ……)

 その時、天使は僕の方を向き、礼をした。
「……お初にお目にかかります、異界から参られた少年よ。
 わたくしは、熾(し)天使マステマと申します、どうぞお見知りおきを」
「僕はイサムだ」
 僕が言うと、といきなり片膝を付き、金の髪が床に這うほど深く、天使は頭
を下げた。
「ではイサム殿、並びに皆様、こたびは多大なるご迷惑をおかけ致しまして、
幾重にもおわび申し上げます。今回の件は、功を焦った最下級天使が先走った
ものにございます。
 天界を代表し、謝罪に参りました。モロス殿下、魔界を統べる偉大なる王、
黒龍王カロン陛下へも、どうぞよしなに」

 厳しい顔のまま、モロスはうなずいた。
「ふむ……天界は遺憾の意を表し、無条件で“朱の貴公子”イーサを解放する
と誓約した。
 ──そのように、兄タナトスには伝えればよい、ということだな?」
「──御意。原因は天界の監督不行き届にございます、条件を付けられる立場
ではございません。
 むろんイサム殿も、すみやかに元の世界にお送り申し上げます。
 すでにその天使は捕えられ、違命(=命令違反)の罪で、処刑される予定に
なっておりますので」

「やったー、帰れるぞ!」
「二人とも戻れるのね!」
 僕とヴェガは手を取り合って喜んだ。
 モロスもやっと表情をゆるめた。
「それは何よりだ。ご苦労だったな、マステマ、立つがいい。これで“天使”
としての用向きは済んだのだろう」

「ではお言葉に甘え、失礼致します」
 マステマは優雅な仕草で立ち上がり、白いローブのチリを払った。
「……しかし、てっきりミハイルが仕組んだものと思ったのだが?」
「まこと、あの愚劣な大天使めの考えそうな企てではあります。事実、こう
なったからには異界へ赴き、イーサ殿下を捕えて封じるべきだとあやつは主張
致しました。
 ですが、賛同致す者はごくわずか。異世界とは言え、人間を利用したとあっ
ては、天界の威信が損なわれるとする者が大半でございました。
 なに、単に、モロス殿下のお怒りが恐ろしいだけのことでございましょう
な」
「おやおや……。みずからを神と名乗る尊大な者どもにしては、柔弱(じゅう
じゃく)なことだな」
 モロスは紅い眼を冷たく光らせ、唇だけで笑ってみせた。

 天使はさらに続けた。
「元々、汚れ仕事は我らに押しつけ、永年惰眠をむさぼっていた輩(やから)で
ございますからな。
 世界の終焉(しゅうえん)を意味する、あなた様の怒りに、及び腰になって
おるのでございますよ。
 ですが、あの尊大なミハイルが参っては、まとまる話もこじれるのは必定
(ひつじょう)。
 天帝より、全権を委任するゆえ事態を収拾せよとの命が下り、こうして参上
致しました」

 モロスは大きくうなずいた。
「情けない限りだが、それはそれで好都合だ。我らとて、事を荒立てるつもり
はない。
 あと少しで、準備はすべて整うのだから」 
「おお、では、いよいよでございますか!」
「──そうだ。間もなく我らは、真の自由を手に入れる!」
 モロスは力強く拳を握る。
「素敵、待ち遠しいわ……!」
 ヴェガは頬を染めて、うっとりとした口調で言い、天使は極上の笑みを浮か
べた。
「感無量でございますな」
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◇連載小説 クレール光の伝説・古の【世界】第11回   作:神光寺かをり
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 ブライトは肯定の返事の代りに、大仰な伸びをした。椅子から仰向けに倒れ
落ちそうなほど大袈裟に背筋をそらしている。
 おかげで彼の目玉は彼の背後の様子をしっかりと見ることができた。
「あのチビ野郎の口車で、あの連中も言いくるめられれば良いがね」
 身体を戻しつつ言う彼の肩越しに、エルはその背後を見た。店の入り口に場
違いに立派な身形の男達が数人立っている。
 先頭は細身で洒落者の中年だ。大きな羽根飾りを付けた帽子をかぶり、
金糸で縁を縫い取った赤い外套を羽織っている。
 帽子の下の顔は青白く、薄い唇は妙に赤い。眼窩は黒く沈んだ色に染まって
おり、頬にも顎にも髭はない。
 その半歩後ろに肩幅の広い若者がいる。
 ぴったりとしたタイツに丈の短いジャケットを合わせ、宝石で柄と鞘を飾っ
た長剣をぶら下げている。
 赤ら顔は少年のように幼い。それを気にしているのだろう。少しでも男ぶり
を上げようと、頬から顎にかけて髭を生やしている。
 もっとも、その髭は産毛のように柔らかで、長さも生え方も不揃いなものだ
から、逆に子供の背伸びのように見えている。
 彼らの左右と背後には、折り目正しい服を着た従者達が5人ほど、背筋を伸
ばして経っている。
 貴族であることは明白だ。
 それも暇をもてあました田舎の貧乏貴族ではない。中央か、あるいは地方で
あっても、かなり重要な役職に就いている実力者であろう。
 そうでなければ殿軍の従者が皇帝の紋を縫い取った「錦の御旗」を掲げて歩
くことなどできはしない。
 身動きできないほど混雑していた店内に、ざわつきを伴った一筋の道ができ
あがった。終点は言うまでも無くポスターの貼られた壁際である。
 騒ぎ、暴れていた二人の農夫は、人々が発するただならぬ空気に怯え、這う
ようにしてその場を離れた。
 残された小柄な男は、むしろ胸を張り、予期しなかったであろう訪問者に笑
みを投げかけている。
 客たちの視線は立派な貴族と小柄な男の間を泳いでいる。
 エルの瞳もまたその二組の間を往復したが、最終的には彼女の連れの顔の上
で止まった。
 彼の顔には、落とし穴を掘り終えた悪童の笑みが浮かんでいる。
「頭痛はしないのですか?」
ギュネイの紋章を目の当たりにして……と、呆れ声で訊ねる彼女に、ブライトは
「するさ。反吐が出そうだ」
笑んだまま答える。
「また何ぞ企んでいらっしゃるのですね」
「人聞きの悪いことを言うな、何も考えちゃいねぇよ。今ンところは、な」
 尖った犬歯の先が唇の端に顔を出した。底意地の悪い笑顔のまま、彼は例の
小柄な男の側に眼をやった。
「あの小賢しそうな小僧が『お貴族様』をどうあしらうか『拝見』してからで
も遅かねぇだろうよ」
「お気の毒だこと」
 エルは貴族達のほうを見てつぶやいた。
 あの小男はおそらく田舎劇団の宣伝や交渉事の担当だろう。
『ブライトの言うように、長い間フレキ叔父の名を騙って興行を続けて来たと
するなら、嘘がばれぬように策を巡らせることができる要領の良い者が団員の
中にいるはず』
 ふと、脳裏に父の祐筆の顔が浮かんだ。
 レオン=クミンは父の学友の子であり、幼いクレール姫にとっては兄のよう
な存在だった。
 普段は寡黙だが、必要な時には例え相手が己より遙かに年上であっても反意
の嘴を夾むことを許さぬほどに雄弁になる。
 痩せて背の高い彼は、額の広い落ち着いた顔立ちからか、実の年齢よりも10、
下手をすると20も年上に見られることがあった。
 物静かで、知恵が回り、筆が立つ彼は、忠実な仕事ぶりが主君に愛され、重
用されていた。
 エルは件の小柄な男の顔をちらりと見、その隣に、レオンの顔を思い浮かべた。
 男は人当たりの良さそうな笑みを満面に浮かべ、手揉みしながら貴族達を待
ちかまえている。
 男の脂ぎった作り笑顔と、懐かしい生真面目な顔つきとに、重なり合うとこ
ろは一点もない。
 視線をさらに動かすと、ブライトの顔が見えた。日に焼けた無精髭の中に
「一触即発に巻き込まれたくないと願う匹夫のような不安げな表情」を作って
いる。
『やっぱり良くないことを考えている』
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