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┗━━┛            2005年11月12日号 通巻 155号 ┗━━┛
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の発行人・銀凰恵です。

 作品の感想などは
 会員専用掲示板http://jhnet.sakura.ne.jp/petit/private/private.cgiへ
およせください。
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 では今週の作品をどうぞ。
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◇本日の目次…
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 ▲オススメメールマガジン&HP紹介
 ◆連載小説…流河 晶  自由への白き翼 第3回
 ◆連載小説…神光寺かをり ゴーストハンターGET序章? 第8回

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◇連載小説 <自由への白き翼> 第3回       作:流河 晶

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 三度目にエグベルトがイナンナに会ったときのこと。
「ね、ちょっとそれ、貸してくれない?」
「え? ……ええ、どうぞ」
 彼女に乞われ、面食らいながらも、彼は木刀を渡す。
「ありがとう。
 ──えい、やっ! とう!」
 そして騎士見習いの少年は、素振りをして見せる少女の、隙がない構えと剣
さばきに舌を巻くこととなった。

「すごい。剣術を習ったことがおありなんですか? 姫君」
「姫君はやめてよ、エグベルト。イナンナでいいわ」
「あ、そ…そうですね、イナンナ様」
「……ホントにすごいや、なんでもおできになるんですねー、イナンナ様は」
 彼だけではなく、ヘイガーも感心しきりだった。

「褒められるような腕じゃないけど、これはお祖父様に習ったのよ。旅の護身
用にって、お父様やわたしに教えて下さったの。でも、この頃全然やってない
し、まだまだよね。
 ──そうだわ、あなたが剣術を教えてくれない? わたしに」
「──ええっ!?」
「イナンナ様が剣術ぅ!?」
 伯爵家の令嬢の意外な申し出に、少年二人はそろって驚愕の表情になる。
 イナンナは大きくうなずいた。
「今、木刀を持って分かったの。こうやって素振りをすると、すごく気分が
いいわ。
 いやなことも皆、忘れられそう。だから、もう一度剣術を習いたいのよ」

 しばらく絶句していた暗い髪の少年、エグベルトは、衝撃から立ち直ると
激しく首を横に振った。
「──ダ、ダメです、大体、僕だってまだ見習いなんですよ!
 それに……貴族の姫君に剣術を教えたなんて知れたら、父に大目玉食らっ
ちゃいます……!」
 するとイナンナは、緑の瞳をいたずらっ子のように輝かせ、庭師の息子を
振り返った。
「わたしとヘイガーが黙っていれば、誰にも分からないわよ。
 ──ねえ、ヘイガー」

 いきなり話を振られ、庭師の少年は眼を真ん丸くした。
「──えっ、俺も共犯ですかぁ?
 でも、ほんと、よした方がいいですよ、そのお美しいお顔にケガでもしたら、
大変だし」
「そ、そうですよ、やめましょう。あなたにケガなどさせたら、伯爵夫人に
殺されちゃいますよ」
 エグベルトも額の汗をぬぐいつつ、重ねて押し留める。

 しかしイナンナは諦めず、祈りを捧げるときのように顔の前で指を組み、
必死の面持ちになった。
「気をつけるから、大丈夫よ。だから教えて。あなたが教えられるところまで
でいいから。
 ──ね? こんなことを頼めるのは、あなたしかいないの、エグベルト。
お願い……」

 風にそよぐ銀細工の髪、透き通る白い肌、瞳は、葡萄畑でたわわに実る、
瑞々しいマスカット……。
 その濡れたように艶やかな珊瑚色の唇から、『あなたしかいない』などと
哀願されては、初心(うぶ)な十七歳の少年に勝ち目などあるわけもない。
「……わ…分かりました。未熟者ですが、がんばります……」
 とうとう、エグベルトは、その瞳に吸い込まれるように答えてしまっていた。

 ヘイガーはそんな友達の背中をつつき、耳元でささやいた。
(おいおい、エグベルト、いいのか、そんな約束して……)
(……仕方ないだろ、ヘイガー。ダメだって言うんなら、お前がイナンナ様を
説得しろよ)
(──えっ、む、無理だよ、そんなの……)
 首を振るヘイガーに、エグベルトは手のひらを合わせ、拝むようなまねを
する。
(だったら協力してくれよ、僕からも頼む、ほら、この通りだ……)
(……知らないよ、どうなっても……)
 ため息混じりに、庭師の少年は答えた。

 それから毎日のように彼らは会い、ヘイガーが見張りに立つ中、剣術の稽古
に励んだ。
 イナンナは覚えが早く、エグベルトの教え方にも自然と熱が入ってゆく。
「イナンナ様は本当に筋がいい。教え甲斐がありますよ。
 タルルシュにいる僕の師匠にお会わせしたいなぁ……もうかなりのお年なん
ですが、すごい元気なんですよ。きっと張り切って、あなたにも色々教えてく
れると思うんだけど」
 するとイナンナは眼を伏せた。
「わたしもお会いしたいけれど、多分駄目ね……。王都アロンから出る旅なん
て、ひいお祖母様が許して下さるとは、とても思えないもの……」
「……そうですね……」

「わたしね、本当は剣士になりたいの。お人形みたいに飾り立てられて、家の
中でじっとしてるのは嫌なのよ……そんなのって、全然生きてる感じがしない
わ、そうじゃない?」
「──えっ!? け、剣士……」
 不意に告げられた彼女の言葉に、エグベルトは自分の耳を疑った。
 イナンナは首を振った。
「……できるわけないわね。ここにいたら。……ううん、女が剣士になること
自体、やっぱり無理よね……」
「い、いや、その、……」
 エグベルトは何と返答していいかわからず、口ごもる。

「ね、エグベルト。正直に答えて。わたし、剣士になれると思う?」
 イナンナはいきなり顔を上げ、彼を真正面から見つめた。
 ふわりといい香りが少年の鼻腔をくすぐる。銀髪の美少女の、訴えかける
ような真剣な眼差しに、少年は息を呑んだ。
「ね、どう? わたし剣士になれるかしら……?」
 少女はさらに畳み掛ける。 
「…………」
 エグベルトはこの少女を喜ばせたい気持ちと、危険な目に遭わせたくないと
いう思いの間で板ばさみになり、口を震わせることしかできなかった。

「……分かったわ。無理言ってごめんなさい……今のは忘れて」
 彼の意を察したのか、イナンナはもう二度と、その話題を持ち出すことは
なかった。

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◇連載小説 <ゴーストハンターGET序章?> 第8回  作:神光寺かをり
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 確かに悠助はどれほどの不運にあっても重傷を負うような事はなかった。ぶ
つかろうが転げ落ちようが、せいぜいオキシフルかヨード液と絆創膏で住むよ
うなかすり傷しか負わない。
 しかし、だ。
「なんだよ、その最後のは。今までは、って。今までは余喰っても、これから
はダメみたいな言いっぷりじゃないか」
 見上げた光輝の顔が、遙か遠くで小さく立てに揺れた。
「今までだって充分不幸なのに、これ以上の不幸って……。俺が一体何をしたっ
て言うんだよ」
 悠助の体はがたがたと震えだした。
 光輝は彼の顔の前に手を差し出した。
「何も。君は何もしていない。でも、どうやら生来君は不幸を呼び込む体質らし
い。それでいて、おかしな具合に体力がある。そこを奴らにつけいられたようだ」
「奴ら?」
「さっき君に抱きついたような奴らだよ。叔父貴曰く『虚数単位のエネルギー
体』。実数解を持たない存在……実態どころか、計算上でもあり得ないエネル
ギー値」
 そう言いかけて、光輝は少し考え込み、ちらりと真田に視線を投げた。
 数学やら物理やらに関しては万年「十段階で2」というぎりぎりな成績であ
る悠助には、光輝が何を言っているのかさっぱり判らなかった。
 一方、光輝には彼に解るように説明する自身がなかった。自分が理解すると
言うことと、人を理解させられるということは、全く次元の違うことだ。
 救援を要請された真田にも、悠助が言葉や数式で説明しても理解できていな
いだろうことが、おおよそ理解できた。
 そこで彼は、
「図式化しよう。見えるようにすると判りやすい」
自分の前のコンソールを少しばかり操作した。
「実数解の出せない現象を引き起こす正体不明の存在。どうあがいても、見る
ことができないもの。だが一度、四元数積を導き出すこと、コンピュータグラ
フィック化するとことができる」
 節くれ立った指が、キーボードを叩いた。
「ほら、見えるようにすると判りやすいだろう?」
 モニタ上に幾枚もの小さな「絵」が表示された。それはみんな、奇妙にリア
ルで、それでいて現実離れしたプロポーションの、可愛くてセクシーな女の子
の「絵」だった。
 モニタをのぞき込む悠助の鼻の下が、だらしなく伸びた。光輝はわざとらし
いため息を吐いて、彼の首根っこを掴み、持ち上げた。
「要するに、そいつらはフツウでは捕まえるどころか見ることもできない存在。
でもコンピュータを通すとどうやら見ることはできるようにはなる。僕らはそ
れを『オバケ』とか『ゴースト』とか呼んでいる」
「オバケ!? そんな非科学的な!」
 否定しながら、それでも悠助は少しは安堵していた。数学やら科学やらでち
んぷんかんぷんな説明を付けられるよりは、名状しがたいオカルト現象という
棚に上げておいた方がなんとなく落ち着く。
 とはいえど、棚の上にしまい込んだものををすっかり忘れることができない
のであれば、落ち着いてなどいられなくなる。
「さっき君を襲ったアレ。コンピュータを通って可視化してしまった『オバケ』
な訳だけど……」
 こう言われればどんなに鈍い者でも恐怖するのは当然だ。
 悠助は光輝の手を強く握りしめた。
「俺、幽霊に取り憑かれたのか?」
「『オバケ』達は実数エネルギーを持つ生き物からエネルギーを吸収しようと
する。実際、君もさっき相当吸われたようだ」
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