┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┏━┫ ☆テキスト系創作メールマガジン 文芸同人 主婦と創作☆ ┣━┓
┃ ┗┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┛ ┃
┗━━┛            2005年07月30日号 通巻 142号 ┗━━┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の主幹・銀凰恵です。
 暑さにめげることなく今週も張り切って参りましょう!

★主婦と創作はマガルドランキングに参加しています。
 よろしければ一票お投じくださいませ。
>>http://nicolas-mmnovel.net/cgi-bin/rank.cgi?mode=r_link&id=28

 では今週の作品をどうぞ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇本日の目次…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆連載小説…くまの 文化祭うぉーず
 ▲オススメメルマガ&HP紹介
 ◆連載小説…神光寺かをり フツウな日々。

━━【スポンサーサイト様ご紹介】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ┌─┐┌─┐┌─┐┌─┐┌─┐┌─┐┌─┐┌─┐
┌───☆│電||子||書||籍||掲||載||無||料|☆───┐
│    └─┘└─┘└─┘└─┘└─┘└─┘└─┘└─┘    │
│      詳しくはこちら → http://www.digbook.jp       │
└────────────────────────────────┘
{magclick}

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本棚が欲しくなったら⇒e書棚.com
http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=U71DJ+5WJVLM+LPO+60OXF
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇連載小説 <文化祭うぉーず> 第12回           作:くまの
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 呼び出しがかかった目的地、放送室前。
 ここまでたどり着いたのは、どうやらボク達だけらしい。辺りは妙に静かで、
自分の心臓
の音と、
「はあぁ。馬力がありすぎる役者と非力な警護を持つと苦労するわ」
 という、我が姉のわざとらしいため息と愚痴が聞こえるほどだ。
 ボクはそれにもメゲずに放送室のドア、通称《開かずのドア》――なぜ、こ
う呼ばれてい
るのかは在校生も知らない――に五十一回目のケリを入れた。
 ぺこん。当然、開かないよ。
 ばんっ、とドアを蹴破ること。これはなかなか難しい状況だ。放送室は階段
の突き当たり
に位置している。
 だから、任侠映画みたいに足裏をぶち当てたくても、後ろが気になって勢い
よくできない
んだ。ドアが開けばいいけど閉まったままなら、ボクは階段を真っ逆さまに落
ちていくワケ。
作用反作用の法則だよね。
「……はぁ……《開かずのドア》だけあって、開かないよ」
 ちょうど六十回目のケリで、ボクは白旗を上げかけた。けど、エリ姉のブリ
ザードのよう
な視線に、
「もしかしたら、押すんじゃなくて引っ張るタイプのドアかもしれない……くっ」
 両手でノブを引っ張ってみたし、叩いてみたりもした。神様……門を叩いて
も開かれない
です。仏教徒じゃ駄目ですか?
「まっことスミマセンことです。わたすの責任ですだ」
 吉田象がさっぱり顔をしていたのは、トイレから出たときだけだ。今は身の
置き場もない
といった風情で、階段の踊り場にどでんと立っている。
「わたすの演技が下手なせいで、王子サンが……」
 ヘコんでるぐらいなら、彼女にうってつけの作業を代わってもらいたい。け
ど、頼んだ瞬
間「ドアだけ壊す自信がない」って即答されちゃ、ゴリ押しするワケにもいか
ないしさ。
「だから、吉田さんのせい……じゃないよ。とっても……個性的なジュリエッ
トだったよ」
 ボクのホメ言葉は気休めじゃない。その証拠に演技には厳しいエリ姉もうな
ずいている。
「吉田のジュリエット像なら、最後に勝利できるわ。死の淵から這い上がって、
自分を捨て
た男に復讐するのよ!」
 ……それは、一般のジュリエット像とは違うよね。
「とにかく、そんなに落ち込むことない……とワタシは思うよ」
「でも、わたすが…………」
「確かに吉田にも責任はあるわ。でも、今は彼の君の奪還が先なのよ。もちろ
ん、後でそれ
相応の処分はあるから覚悟すること」
 エリ姉はこめかみに青筋を立てて、吉田象の広い背中をはたいた。
 励ましてるんだか落ち込ませているのか、よくわからない言葉かけだ。
 この人、いつか夜道で刺されるな……。そんなことを思っていたら、吉田象
がドレスの胸
元から銀細工の短剣を取り出した。
「吉田さんっ! いくら憎くても、それはシャレにならないって!」
 ちっともはかどらないドアの破壊工作は放っておき、ボクは慌てて階段を降
りると、二人
の間に割って入った。
「さっき入ったトイレの鏡の前に、こんなモノがありましただ」
「あ、そうなんだ……。ちょっと、びっくりした」
「吉田、貸しなさい」
 エリ姉が吉田象の手からひったくるようにして、短剣を自分の手元に取り寄
せる。
「これは『ロミオ』の短剣よ。どうして、こんなところに……」
 体育館トイレで消失した《星の王子様》と、C棟の女子トイレで見つかった
忘れモノ。ボ
クの脳裏に稲妻のごとく、ひらめくものがあった。
「《星の王子様》はさっきのトイレで、私服か制服に着替えたんじゃないかな」
「それはどういうことよ、理科子」
「一度目の脱走で焼却炉に行った《星の王子様》は、ついでに私服──の可能
性が高いね─
─を体育館トイレに隠してきた。二度目の脱走では、その荷物を持ってきて、
C棟の女子ト
イレで制服に着替えたんだよ」
「あんた、意外と頭がよかったのね。もしかしたら、俳優に向いてるかもしれ
ない。やっぱ
り、演技は頭よ、馬力はいらないわ」
 エリ姉は目を見開いてそう言った。
「すみませんことですだ……」
 ますます背中を丸める吉田象を見ていると、ボクの胸に何とも言えない感情
がこみ上げて
くる。
「そうかな、馬力も必要だと思うよ。第一、気は優しくて力持ちなんて、ワタ
シにとって理
想的な人物像だし」
「それは男の人だべ?」
 ……そうだね、マサカリを担いでたり、高校球児でキャッチャーだったりす
るよ。
「…………女にも、応用はきくと思うよ」
「わたすは体がこんなんだから、昔から遊んでくれる子も少なかったす。近所
で『楓りん♪』
って呼んでくれたのは、マーちゃんだけだした」
 ……楓りん。吉田象には相当、度胸のある幼馴染みがいたらしい。ボクはと
うてい無理な
芸当だ、と思いかけて、またしてもセクシーな占い師さんの言葉が脳裏に蘇る。
そう。
 ――人間は見た目で判断しちゃいけない、ってこと。
 吉田象はマウンテンゴリラのような厚い胸板に、超高校生級な力がある。だ
けど、ヨーク
シャー産の小羊みたいに、優しくて健やかな心の持ち主でもあるんだ。
 だから、ボクはこーゆーとき、自分が言って欲しいことを口にしていた。
「吉田さんは誰よりも、女の子らしい人なんだよ」
 ――理は誰よりも、男の子らしいよ。
 どういう意味でも、この際、イヤミだって構わないのだ。とにかく、誰かに
そう言っても
らいたいときってあるよね? ボクはあるんだ。それも、朝夕ひんぱんに……。
 でもさ、これじゃあ、まるで吉田象を口説いているみたいじゃないか。そう
なのかな? 彼
女がボクの初恋の相手? いや、そんな小さな愛情じゃないよ、これは人類愛
だ!
 グローバルな愛に目覚めているボクを置いて、吉田象は激走、いや爆走して
いた。
「そんなこと言われたの二度目だ」
「――え? ええええぇ?」
 勇気を出して初めての告白だったのに、あっけなくかわされてしまったボクっ
て……。
「王子サンはどのジュリエットよりも、抱き心地がいいってホメてくれただ」
 ほんのりと頬を赤く染めて、吉田象がつぶやいた。
 そんなキワドイこと、さらっと言わないで欲しいよ。こっちまで、恥ずかし
くなるじゃな
いか。
「そうね。吉田はゴツイわりに、肉が柔らかくて猫みたいだから」
 エリ姉が吉田象の両頬を左右に引っぱると、計二十センチも伸びた。彼女は
すごいモチ肌
の持ち主だ。
「だから、王子サンのために、わたすはできる限りのことをしたいのですだぁ!」
 彼女の野性の血が今、スイッチオンされた感じだ。雄叫びを上げそうな吉田
象を前に、エ
リ姉は放送室のドアを指さした。
「吉田、手始めにこれをぶち壊しなさい」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 作品の感想などは会員専用掲示板へお寄せ下さい。
 >>>http://jhnet.sakura.ne.jp/petit/private/private.cgi<<<
 書き込みパスワードは「9no1」です。

━【オススメメルマガ&HP紹介】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

☆一心の「こころが楽になる」メルマガ」
  こんなメルマガがあったなんて・・・。ひたすら驚くばかりです。
  軽く読めて、いつまでも心の残る作品ばかり。
  自分自身を生きることの大切さ、素晴らしさを知ることが出来ました!
>>http://www.magachan.com/maginfo.php?id=253&fid=56

☆リナルド夫妻の〜食べて幸せイタリアンスローフード♪
  本物のイタリア料理が知りたいならこれ!
  トスカーナのど田舎から直接発信の、本格的レシピもうれしい
  イタリア好きには必見のメルマガです。
  へたなガイドブックよりずっと充実してたりするかも
>>http://www.magachan.com/maginfo.php?id=259&fid=56

★ていぶんしフコイダン屋
トンガ産モズクフコイダン。家族の健康と幸せを願って。
>>http://go.prjapan.co.jp/get500.php?i=4524_121_7682_h27435

★オーダーメイド掛軸の店 川端美術店
掛軸・絵画の専門店です。
>>http://go.prjapan.co.jp/get500.php?i=4526_121_074e_h28009

★ブラックカードが今なら入会金年会費無料
完全無料のブラックカードのドライビングサポートカード
>>http://go.prjapan.co.jp/get500.php?i=4511_121_f5fc_h28282
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇連載小説 <フツウな日々。> 第50回        作:神光寺かをり
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 自分の手じゃない、と思うのと同時に、やっぱり頭の上から自分のモノでな
い別の考えが降って来た。
『全く、どいつもこいつも、どうしてこう龍脈を乱してばかりおるものか』
 龍は降ってくる「別の考え」が、何を言いたいのかさっぱり分からなかった
けれども、それでもこの考えの主がずいぶんと怒っていて、その上ずいぶんと
悲しんでいる様子なのは感じ取れる。
……この人が一生懸命やっていることを、誰かが邪魔している。この人は邪魔
されていることを怒っているけど、邪魔している人のことは怒っていなくて、
どちらかというと可哀想だと思っている……
 彼は長い指の間から差し込むまぶしい光を長めながら、耳を澄ました。
 水が跳ねる音がする。それは元気が無くて、淀んだ音だ。
 天井の水面に丸い水紋が浮かび、ゆっくりと広がっていった。水紋の中心は
小さな影だ。
 影はやがて人の形に広がった。そして人の形の影は、影ではなく人の姿に変った。
「寅か」
 龍の頭と、頭の上の「別の考え」は、同時に思い、同時に言った。
 確かにその人は寅姫だった。
 元々色白の顔だけれども、今日は一層青白い。
『どうしたんだろう?』
 龍は思った。
『何か分かったようじゃな』
 「別の考え」の主が思った。
「判ってみれば簡単なことなのですけれど」
 寅姫は微笑んだ。でもちっとも嬉しそうじゃない。
「誰ぞが札をせき止めておるようで」
『札って何?』
 龍は思った。
『アレはタダの紙切れぞ』
 「別の考え」がつぶやく。
 寅姫はまた微笑んだ。でも今度の笑顔は苦笑いだった。
「人の思いが乗れば、ただの紙も力を得ます。それに、そもそもあれには妾と、
何より貴男様の名の呪が書き込まれておりますれば」
『呪って何?』
 龍が思う。
『タダの墨跡に過ぎんがの』
 「別の考え」はため息混じりに言う。
 ため息は大きな泡になって、ぐるぐる渦巻きながら天に昇っていった。
「守人の所に行っては来ましたが、まだあの娘には自覚がないものですから、
妾の声が聞こえたかどうか、判然といたしませぬ」
 寅姫もため息を吐いた。それは小さな泡になってくるくる回転しながら天に
昇っていった。
『守人って誰?』
 龍には判らないことだらけだ。
『じゃがあの女の童、素地はありそうな。案ずることは無かろう』
 「別の考え」の方は、全部納得したらしい。
「そうでしょうか」
 寅姫はもう一つ泡を吐き出した。
 龍に彼女の心配ごとを推し量ることなどできない。これは「別の考え」の方
も同様らしい。
『どうした?』
 一つの体の中のにある二つの考えが、同時に一つのコトバを思考する。
「年若い、幼い守人は、確かに妾の気配は感じた様子でした。泣きはらしたよ
な赤い目でを妾の方に注いでおりましたから。
 ですが、妾が語りかけてもそれに耳を傾けようとはしませなんだ。
 むしろ、あの娘の方が妾に語りかけるのです」
『何と?』
 寅姫は龍ともう1人の誰かをじっと見て、柳眉をを八の字に、美しい額に皺
を寄せ、困り切ったという調子で答えた。
「雨を賜りたいと」
 龍の……いや、龍の心が迷い込んでいる逞しい身体の、凛々しい顔の、大き
な口から、大きな泡がゴポゴポと吹き出した。
『龍脈が乱れて水が正しく流れない故、雨を降らせられぬと言うに』
 ゴポゴポと一緒に、「もう一つの考え」……いや、この身体の正しい持ち主
の声が浅い水面に向かって立ち上る。
 彼は心底困り果てている。そしてちょっとだけ怒っている。
「母御が身罷ったのが辛いのでしょう」
 寅姫は顔を伏せた。龍の身体は天を仰いだ。
 視線は水面を超えて、池のほとりの一隅に注がれる。
 石でできた鳥居。
 小さな古ぼけた祠。
 小さな石塔の一群。
 片隅に新しい墓標と。
 手向けられた、大きな菊の花束。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★文芸同人「主婦と創作」ではあなたの作品のご投稿をお待ちしています。
 投稿のルールなど、詳しいことはホームページで!
URL :http://mm.9no1.gozaru.jp/
◆このメルマガを読んでの、あなたの感想を聞かせてください◆
  http://www.magachan.com/maginfo.php?id=56&fid=56
★マガルドランキング参加中です。
 よろしければ一票お投じくださいませ。
  http://nicolas-mmnovel.net/cgi-bin/rank.cgi?mode=r_link&id=28
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・
    ◆テキスト系創作メールマガジン 文芸同人「主婦と創作」◆
発行人:銀凰恵
URL :http://mm.9no1.gozaru.jp/
Mail:gin_oh@yahoo.co.jp
   このメールマガジンに掲載されている文章の全部または一部を
   無断で転用・転載することは、やっちゃだめです。
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・
このメールマガジンは、
『まぐまぐ』   http://www.mag2.com/m/0000093007.htm
『メルマガ天国』 http://melten.com/m/10992.html
『めろんぱん』  http://www.melonpan.net/mag.php?004900
『マガジンライフ』http://mg7.com/cgi-bin/hp.cgi?id=12791
を利用して発行しています。
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・
 なお、当方では代理解除は行っておりません。
                解除は上記アドレスから行ってくださいね。
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
----------------------------------------------------------------------
 ★温泉テーマパーク、スパリゾートハワイアンズのメルマガ会員募集!★
          最新情報やお得な情報をゲットしよう!
  詳しくは、⇒ http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=U725X+CIP8SY+K4Q+5ZMCJ
----------------------------------------------------------------------{magclick}