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-------◇テキスト系創作メールマガジン 文芸同人「主婦と創作」◇-------
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---------------------------------------------- 2004年12月18日号 ----
------------------------------------------------------ 通巻113号 -----
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◇ご挨拶
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の主幹、銀凰@水道管が破裂しちゃった! です。

 早くも今年の最終号はの発行となりました。
 今年一年おつきあい下さいましてありがとうございました。
 よろしければ来年もおつきあい下さいますようお願い申し上げます。
 では、今週の作品をどうぞ。
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◇本日の目次…
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 ◆連載小説…くまのサマ 天狼戦記−華−
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 ◆連載小説…神光寺かをり フツウな日々
 ◆このメルマガを読んでの、あなたの感想を聞かせてください◆
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◇連載小説 天狼戦記−華−                 作:くまの
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 子……目ヲ覚マス……ニイテハナラヌ…………。

 ――誰かが私を呼んでいる…………。
 だが、この眠りを手放すことはしたくないと寝返りを打った途端、畳の縁が
彼女の頬に当たった。落ちかけていた意識が急浮上する。
 ――…………どうしてここに?
 鼻先に黒いパイプベッドの足と布団の端が見える。ということは、自室にあ
るベッドで寝ているわけではないらしい。
 近頃の彼女は、意識を失うことが度々ある。眠り自体も浅くなり、真夜中に
目を覚ませば、当然のように他の人の部屋にいたりもする。現に今も、身に付
けているのは、身体より一回り大きなパジャマだけだ。
 また、やっちゃったのね。
 不思議をあまり意識せず、身を起こそうとして、さらに自分の置かれた不可
解な状況を悟ることとなる。彼女はビニールテープで後ろ手に縛られ、ベッド
の横に転がされている。なぜだかはわからない。
 わからないが、このままの状態では危険だと思ったし、第一、胸が苦しい。
 ――それは困る。呼気が整わないとうまく力が出せない…………力って何?
 自分の思考に混乱しながらも彼女は一端、身体をよじってベッドに背を向け
た。その後、自由になる指先で、ベッドから垂れ下がっていた布団の端を鷲づ
かみにする。
 彼女の体重が軽いせいもあり、頼みの綱が畳に落ち切る前に半身を起こすこ
とに成功した。これだけの運動で息が上がっていた。心臓の鼓動が早くなり、
それに合わせて縛られた箇所がどくどくと脈打つ。
 ……心臓が四つあるみたい。気持ちも二つあるみたいだし……私、どうかし
てる。
 呼吸を整えると、彼女の視線はやはり本人の意識とは無関係に脱出口を探し
始める。
 六畳間の半分はパイプベッドで占められていて、他には本当に何もない。寝
るためだけの質素な部屋という感じがする。わずかに開いた窓に向かって助け
を呼ぼうとした瞬間、彼女の背後で襖が動く音がした。
 縛られた両足に力が入る前に、彼女の口から言葉があふれ出る。
「……あの、ここはどこですか?」
 彼女の意識の半分は、攻撃の機を逸した自分の失態に怒り狂い、残りは謎を
解きたい欲求に急いていた。
「ああ、目が覚めたのかい? ここは私の部屋だよ」
 声をかけてきたのは、化粧っ気のない中年の女だ。唇だけがやけに鮮やかな
朱色をしている。
「ヒモをゆるめて欲しいんですけど……できれば、ほどいてもらえませんか?」
 朱色の女はこの言葉を聞くと、腕を組んで細い眉を大袈裟に吊り上げた。
「あんたは度胸がいいのか、それとも救いようのない馬鹿なのか……」
「私はどうして、ここにいるんですか?」
 六花にとって一番新しい記憶は、《狼頭戦》の前夜だ。自室で読書をしてい
る際中、柏木から、明日に備えて早く寝るように促されたのだ。
 そして、部屋の明かりを消した。
 じゃあ、今日は……《狼頭戦》当日なの!? もう、儀式は始まってるの?
 約束をたがえたと勘違いした桜子の激しい怒りが、六花の身に迫ってくる。
「そうそう、初めからそうやって脅えればいいんだよ。神楽椛、感謝すること
だ。あんたは私に誘拐されて、家出する手間が省けたんだからね」
 目に見えて動揺する少女に、朱色の女はようやく満足気に言葉を発した。
「家出? 私は家出なんて考えていません。《狼頭戦》に…………っ」
 言いかけた六花の口許に、ハンカチが乱暴に押し当てられる。馴染みのある
甘ったるいバニラの匂いがした。香りは六花の視覚を歪ませ、目の前の女に偽
りの仮面を作り出す。
「篠原さん? …………違う」
 姿形は変わったが、よく目を凝らせば篠原から立ち上る気は禍々しいほど赤
黒い炎の色。朱色の女と同じものだ。
「……あなたは誰ですか?」
「自力で幻術が解けるとは、さすが本家というところかい? これが本当の私
の姿さ、今まではお前を油断させるための芝居なんだよ」
 女は歯茎を出して、下卑た笑いを見せる。
 どうして、篠原さんが私を誘拐するの?
 酷く哀しいが、涙はもう出ない。ほんの少し前の六花なら、悲しい物語を読
んだだけで面白いようにこぼれたというのに……。
 泣くだけなら誰にでもできる、自分はそれより先に進まなければならない……
と、決めたのだ。強く唇をかみしめて、六花は胸の内に広がる痛みを堪える。
 だけど…………私は。
「篠原さんも神楽家の人達みたいに、普通の人間じゃないんですか?」
「普通の人間、そんな人間はこの世界にはどこにもいないよ。どこを見回して
も、反吐が出そうな最低のクズばかりだ」
 篠原は六花からふいと目をそらすと、壁に向かって唾を吐いた。
「もしかして、誰かの命令なんですか? そうですよね?」
 自分が気を失っている間に、いくらでも殺す機会はあったはずなのだ。そう
考えると、篠原が本来の自分の顔に戻ったのすら、せめてもの思いやりのよう
に感じられた。
「篠原さんはその人にご恩があって……それで、断れなかったんじゃないです
か?」
 篠原は六花の問い掛けには答えず、
「――《太夫》、早いとこ出といで! そいつの心臓から、《天狼石》をえぐ
り出すんだよ!」
 ぞんざいな口調で従使を召喚した。
 畳から上半身だけ現れたのは、赤毛の猿だ。腹から上だけで六花の背丈ほど
もある、現実にはあり得ない生物。双眸は光の角度によって紫にも黒にも、燃
え盛る炎の色にも見える。鋭い歯を剥き出して笑っているように感じられるが、
全身から発するのは殺意と敵意だ。
 そのくらい六花にもわかる。カイからもらった黒い羽根は、部屋の机の引き
出しにしまってある。もっともこの場合、言葉が理解できたからといって救い
はなさそうだ。
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発行人:銀凰恵
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                解除は上記アドレスから行ってくださいね。
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