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-------◇テキスト系創作メールマガジン 文芸同人「主婦と創作」◇-------
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---------------------------------------------- 2004年11月20日号 ----
------------------------------------------------------ 通巻109号 -----
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◇ご挨拶
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 初めましてのかたは、初めまして。そうでない方は、お待たせ致しました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の主幹、銀凰@風邪引きです。
「何処を舞台にした小説を読みたいと思いますか?」アンケートにご協力下さ
いまして、ありがとうございます。
 アンケート結果は次の通りです。

日本             (29票) 37%
日本風の異世界         (4票) 5%
アジア・オセアニア       (1票) 1%
アジア・オセアニア風の異世界  (1票) 1%
中近東諸国           (1票) 1%
中近東風の異世界        (1票) 1%
ヨーロッパ諸国         (7票) 9%
ヨーロッパ風の異世界      (4票) 5%
南北アメリカ大陸        (1票) 1%
アメリカ風の異世界       (1票) 1%
アフリカ諸国          (1票) 1%
アフリカ風の異世界       (1票) 1%
国境を超越した世界       (1票) 1%
宇宙・異次元         (11票) 14%
自分の近所          (14票) 18%
詳細は→http://clickenquete.com/a/r.php?Q0001597Cc91a にて

 日本国内の自分の身近な場所が異次元と繋がっていて、たどり着いた先は
ヨーロッパだった! ……ダメですか?

 それでは今週の作品をどうぞ。
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◇本日の目次…
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 ▲メルマガ相互広告
 ◆連載小説…くまのサマ 天狼戦記−華− 
 ▲【PR】コーナー
 ◆連載小説…神光寺かをり フツウな日々 
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【メルマガ相互広告】
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 ★メルマガ名 紅龍の夢
 ★発行者HN 流河 晶(リュウガ・アキラ)
 ★自作のファンタジー長編小説を週刊で配信しています。
  現在、<巻の二/ジュエル・ベアラー/貴石を帯びし者>配信中!
 ★追放同然に人界へと出てきた魔界の第二王子サマエル。
  弟子の少女との静かな暮らしを望む彼ですが、敵対する神族や兄との確執が
  それを許さず、天界との最終戦争に巻き込まれてゆきます。
 ★続き物好きな方にオススメ(<巻の七>が最終巻予定)。

★↓流河 晶のHP『紅龍の夢』。
   <巻の一/パンドラの箱>(完結)を掲載しています。
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怪談「逢魔が時物語」」
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◇連載小説 天狼戦記−華−                 作:くまの
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 ――誰が! なぜ、あたしの命を消そうとするの!
 どくん。自分の拍動が耳元でやけに大きく響く。
 桜子は今後、神楽家を盛り立てていく当主なのだ。
 いつか来る人狼の未来のために、凄惨な現在を誇り高く生き抜くのが当主の
務めだと、幼い頃から祖父に叩き込まれた。
 桜子に許されている自由は、過去でも現在でもなく未来を想うことだけだ。
その未来も手につかんだ瞬間、ひらりと現在に変わり、自分の手の中には残ら
ない。
 権力と財力があるけれど、一時の陽炎のような存在、それが神楽家当主の実
態だった。欲しいのならくれてやるというのが、桜子の本音だ。
 当主のすべての行動は血族のためにあり、私情によるものは許されないのだ。
 祖父の深みのある声が桜子を諌めるが、
 ──わかってるわ。でも、一樹を殺す……その後、ここにいるみんな殺して
やるっ!
 美少女は大きな白狼へと変性する。黒いワンピースの下、白いなめらかな肌
は白銀の毛皮をまとい、強靱な四肢はコンクリートの床を掴んでいた。
 屋上には二箇所、昇降口がある。対角線上に造られた出入口に、親族達は我
先にと殺到する。
 残念ながら屋上から直接、屋外に非難するということはできないからだ。上
空からの敵の進入を恐れ、ご丁寧に屋上にも結界の網が縦横無尽に走っている。
 この場にいる者達の一握りは変性できないほど血が薄いわけではない。だが、
新たな当主に勝負を挑めるほどの猛者ではなかった。
「死ぬのはいやあぁぁ!」
「やめろっ何をするんだ!」
 逃げ後れた親族達と主を守ろうとする従使達は、桜子の牙と爪で引き裂かれ
た。幼い頃から見知っている叔父や叔母の顔も、今の彼女には見分けがつかな
かった。どれほど頑強な人狼の身体をもってしても、頭蓋骨を噛み砕かれれば、
豆腐のように柔らかい中身を守ることはできない。
「どうかどうかお気をお静めになってください……」
 そう言いながら寄ってきた命知らずの若い男も、男の《荷葉》と呼ばれた白
狐も深手を負わせてやった。自分の邪魔をするからだ。
 いないいないいないいないいない、……どこに行った?
 桜子の目は氷の石像のような美少年の姿を探していた。唯一、見分けのつく、
この世から消してしまいたい人狼がいない。
 どこに行った? どこに行った? どこに行った? どこに行った? どこ
に行った? どこに行った? どこに行った? どこに行った? どこに行っ
た?
 脳漿の混じった粘りつく血液のせいで、唾液がうまく飲み下せない。顔が血
まみれだろう。口から絶えずよだれを垂れ流したままの自分は一体、どんな風
に映っているのだろう。
 ──決まっている。地獄の番人、三つの頭を持つケルベロスだ。
 まだ理性が残っているなら大丈夫だと、桜子は場違いなほど明るい空に向かっ
て咆哮した。
 みんな一人残らず殺してやる。神楽家の血を絶やしてやる。
 そして、首に繋がれた鎖をすべて断ち切ってあたしは自由になる。この崩れ
落ちそうな館から、死んでなおも自分を縛る祖父の存在から! 存続させる価
値もない親族達から!
 ──まずは…………見つけたっ!
 標的の美少年は腕組みの姿勢で、先ほどと同じく壁にもたれかかったまま、
面白そうにこの地獄絵図を鑑賞していた。あまりに感情の波がなく、存在を感
知できなかったのだ。
 桜子とちかりと視線がかち合ったが、やはり動こうとはしなかった。──今
なら殺れる!
 興奮に首筋の毛が逆立った。身体中の血が確実に一度、上昇した。充分にウォ
ーミングアップした筋肉は伸びやかに動き、軽い跳躍ひとつで彼の前へ着地で
きた。射程圏内に捕らえた、そう思ったのは桜子だけではなかったらしい。
 ズン、と腹に響く音が一発した後、桜子の右前足の近くでコンクリートの破
片が飛び散った。
 たかが銃だ。硝煙の匂いに動じることはなく見上げた桜子は、年代物の散弾
銃を構えた一人の女を見つけた。全身から病人独特の陰鬱な匂いを発散してい
た。
「早く行って、真さん。あなたはもう死んではいけないの。そうなのよ、今度、
死ぬのはあなたなのよ!」
『…………あの人が…………母様がどうして?』
 うつろな声を聞いた瞬間、桜子に残っていたわずかな理性が木っ端みじんに
吹き飛んでいった。均衡を保っていた人間と狼のシーソーも、力点を無くし彼
女の中から消え去った。
「後は頼みます」
 たいして感謝の感情もこもっていない声で言うと、一樹は親族の一人を押し
退けて屋上を出ていった。
『…………お前はダレ?』
 色素の抜けた茶色の髪と瞳を持つ、どこかで見たような美しい女だった。強
く噛みすぎて色を失った唇の片端から唾液を垂れ流している。瞳は桜子の方を
向いているだけで、存在の意味を頭で理解しているとは思われない。立ってい
るのが不思議なくらい細い足は裸足で、爪が割れて血が滲み出ている。
『ダレダ? お前ハダレ? オカシイ、ヨクシッテイルハズナノニ』
「弥生は今度こそ死になさい!」
 細く白い煙をたなびかせる銃口は、寸部の狂いなく桜子の鼻先に向けられて
いた。
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◇連載小説 フツウな日々               作:神光寺かをり
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 I先生はちらっと後ろを見た。
 お風呂の出口の外にある壁に、丸い時計が一つ掛かっている。短い方の針が
Iが三つ並んだローマ数字の近くを指し示していた。
「約束だから、おやつに桃を剥かないとね。あの子も一緒に食べてくれると良
いんだけれども」
 先生は手招きをし、歩き出した。龍は急いで脱衣所から飛び出した。
 一歩出た廊下で、彼はふと後ろを振り返った。
 脱衣籠の縁に、湿ったバスタオルの端がだらりと引っかかっている。その様
子を、彼はなんだかどこかで見たことがあるような気がした。
 龍の体に付いていた水滴を全部吸い取ってくれたタオル。ふわふわした表面
が、次第にねっとりと重くなって行く感触。じっとりと水がしみこんで、重た
くなった布。
 どこかで見たことがある。
 どこかで感じたことがある。
 つい最近。
 ついさっき。
 龍の背中に寒気が走った。脱衣所に充満しているぼんやりとしけった空気が、
なぜか冷たい。
 龍は脱衣所のドアをぴしゃりと閉めた。
 白い湯気がドアの隙間からするするとあふれ出る。それは竜巻みたいにぐる
ぐるとねじれて、細く長く伸びてゆく。
 怖い。何が怖いのか判らないけれど、怖い。
 そう感じた途端、龍は自分の体の中の何かが自分の体から落っこちて、地面
の奥に吸い込まれていったような気がして、情けない声で叫んだ。
「うわぁ」
 膝も腰骨も背骨も、体をまっすぐに立てておくことができなくなった風で、
龍はその場にぺたんと尻餅を付いた。
 手足も思うように動かなくなった。足の先の方が地面にめり込んでいるよう
な気分で、立ち上がることもできない。
「どうしたの!」
 I先生は血相を変えて龍を抱きかかえ、彼の体を引っ張り上げて立ち上がら
せた。
 さっきまでお風呂で暖められてピンク色に上気していた龍の顔が、真っ白に
なっていた。
「落ちた、おぼれちゃう」
 紫色の唇をガタガタ震わせながら、龍は先生にしがみついた。
 上目遣いで天井を見る。薄い黄土色の天井には、ワックスでぴかぴかに磨か
れた廊下に弾かれた金色の光がゆらゆらと揺れていた。
 龍の目の前を、白い湯気がゆっくりと上昇してゆく。
 白い渦巻きの中に誰かがいる。その誰かが、自分を置いて行ってしまう。
 取り残される。一人きり置き去りにされる。
「待って!」
 龍は叫んでいた。
 自分の叫び声が遠くから聞こえた。
 上からも下からも右からも左からも前からも後ろからも、ギュウギュウ押さ
えつけられているような気がした。
 龍は掌を上へ突き上げた。手の甲も爪の先も真っ白だ。
 自分の掌が遠くに見える。
 怖いという気持ちが、ギシギシと音を立てて彼の体を押しつぶしてゆく。
「待って」
 もう一度、龍は言った。それは小さくて誰にも聞こえない声だった。
 実際I先生には声が聞こえなかった。
 先生は彼が唇をブルブルと震わせているのだと感じた。そして彼が急に「かっ
たことを思い出したのか、あるいは急に具合が悪くなったかして、体を痙攣さ
せているのだろうと考えて、彼の体をぎゅっと抱きしめた。
(確かに龍は、怖かったことを思い出して、急に具合が悪くなったには違いな
かった)
 龍は先生に抱きつき返さなかった。だからといって、先生から離れようとも
しなかった。
 彼は先生がそこにいることを忘れていた。それどころか、自分が先生の家に
いることも、キレイさっぱり忘れていた。
 彼の頭の中では、ゆらゆらと揺れる金色の光と、ぐんぐん上ってゆく銀色の
泡と、ざわざわ揺れる木の枝とが、一緒くたになってぐるぐる回っている。
 そのぐるぐるの向こう側に、いくつもの石の塔が見え隠れする。
 石の表面には文字が刻まれていた。
 龍の、できることなら見たくもない文字だった。そして絶対に声に出して読
みたくない文字だった。
 なのに。
 龍の唇はそう声を出すように動いて、喉もその音を出すように動いて、その
上に肺がちょうど良くへこんだ。
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