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-------◇テキスト系創作メールマガジン 文芸同人「主婦と創作」◇-------
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---------------------------------------------- 2003年09月27日号 ----
------------------------------------------------------- 通巻56号 -----
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◇ご挨拶
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 初めましてのかたは、初めまして。
 そうでない方は、お暑うございます、お待たせしました。
 また発行日付と通巻発行数を間違えて記載していた、自称「文芸同人誌」主
婦と創作の主幹、銀凰@お間抜けサンです。
 はい、前回発行分は2003年09月20日号ですね。で、通巻はゴヂラ松井な55号
ですね(ヤンキース地区優勝おめでとう)。
 お詫びして訂正致します。ごめんなさい。
 それでは早速今週の作品をどうぞ!
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◇本日の目次…
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 ◆連載小説…くまのサマ 小説「星眼の巫女」(14)
 ◆    …神光寺かをり 小説「舞殿の【女帝】」(18)
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オリジナル小説『月見』です!!
著者 旭乃 隼人がお贈りする創作系同人誌の先行発行をしています。
あらすじはこんな感じ・・・

時は『七月七日七夕の日』所は『七夕町』
満天星空の中、一筋の流れ星が落ちた。その流れ星にのって
『月影 星彦』が月から地球に来た所からこの物語は始まる
ヒコは『七夕町』に家城を構える、喫茶店『Milky Way』 の経営者
『天川 流』『天川 織姫』『天川 詩姫』 に助けられ?
地球で暮らす事になった

っといった感じに毎週日曜に発行してます!!
どうぞご覧下さい!!
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◇連載小説 星眼の巫女 第14回 第13話           作:くまの
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*13*
 愛し子の呼びかけに応え、女神の意識が実留(みとめ)の手足を操り始める。
 女神は躊躇なく、建物の一点を目指しているようだ。階上ではなく、地下へ
と階段を駆け降りる。窓もなく照明もない暗闇を、実留は何の不安も感じるこ
となく進む。行き止まりになった廊下の正面の壁に右手をかざすと、銅製の引
き戸が現れた。さらに、地下へ続く階段だ。
 垂直に近い段差を降りるに従い、獣と汚水の臭いが鼻をつくようになる。幻
惑する香と混ざり合い、吐き気を催す臭気に変わるが、彼女の足速が緩むこと
はない。
 降りきった先には、実留にとって思い返すもおぞましい地下牢が左右に並ん
でいる。奥へ進むと、それまでとは明らかに違う木製の扉が出現した。鍵はか
かっていない。扉は音もなく開いた。
 ――後は、生かすも殺すもそなたの自由じゃ。
 含みのある言葉を残し、女神は実留に身体の行使権を返した。
 毛足の長い絨毯が敷きつめられた室内では、直立不動の男が本を詠唱してい
た。実留の貫頭衣と同じ刺繍をほどこした光沢のある白いマントを身にまとっ
ている。
「アドビス様でございますか? ただいま水香術の行使を……」
「あなたがさらわれた神官なの?」
 本の頁から顔を上げた男は、
「ここは、お前のような下賤の者が出入りする場所ではない。大切な儀式の邪
魔をするでない」
 ノックなしの来訪者に神経質そうな眉を吊り上げかけ、腰を抜かした。「邪
眼の巫女!」
 実留の額で輝く神石が、何よりも雄弁に物語っていた。死と破壊を誘う女神
が、現世に蘇ったと早合点したのだ。
「やめてくれ! 拙は被害者だ。賊に我が身を拘束されて、それで仕方なく…
………」
 禿頭を抱え、部屋の隅に身を寄せる。
「この術を解いてちょうだい!」
 とにかく、あの幻を消さなくては……。
「拙は何も知らぬッ!」
 卓上には、実留がよく知っている丸底フラスコやバーナーといったものが散
乱している。額と手の甲の神石が唯一、熱反応を示したのは三つ首の奇妙なフ
ラスコだった。白鳥が翼を広げているようにも見える。
 ──これじゃ、これを破壊すればよい。
 コルクできつく栓がされたフラスコ瓶を、実留は床に投げ捨てた。円卓の脚
に当たり、奇麗な音と共に幾千ものかけらになる。
 すっと、手足の動きがスムーズになる。水香の呪縛が解けたらしい。
 ──ラート女神はここにはおらぬ。
 次の間は神官の寝室のようだった。実留とは天と地ほどの待遇の差だ。
「ラートの聖像はどこにあるの!」
 もはや、男は実留の言いなりだ。彼が聖句を唱え壁を指し示すと、タペスト
リーが横にずれ、下から両開きの扉が現れた。同時に木製の扉も放たれ、地鳴
りのような男声が地下室に響き渡った。
「ここから先は、聖眼の巫女殿といえども通すわけにはいかない」
 ジンだ。
 姿は見えないが、背後に数人の気配が感じ取れる。慎重にこちらの出方をう
かがっているのだろう。
「ほう、以前よりは数段ましな眼をしている」
 にやりとこちらを見下ろし、部屋の隅に縮こまっている神官に声をかけた。
「この事はアドビス様のお耳にお入れしても、よいのであろうな?」
 瞬間、腐った魚のようにうつろだった神官の目が、大きく見開かれる。機械
仕掛けの人形のようにぴょこりと立ち上がると、いそいそとジンの許へ寄って
くる。
 すがりつく神官を前にして、ジンは「後ろを向け」とだけ言った。実留に向
かい、グローブをはめた右手で自分の首を切る真似をした。
 次いで、神官の背中にその手を押しつけた。ポップコーンの弾ける音がした、
と実留は思った。
「がほっ」
 唾液と混じりあったねばり気のある血液が、実留の前で散る。わずか数十セ
ンチ前で繰り広げられたのは、残酷で凄惨な状況だった。神官の身体が細かく
痙攣を起こし、顎が上がった後も、実留は目をそらすことができなかった。
「なんてことをするの…………」
 肉と骨が焦げる臭いに、吐き気がこみ上げてくる。
 神官の左胸は存在しなかった。白目を剥き出した神官が、それでも倒れない
のはジンの右手が穴から突き出されているからだ。
「一介の盗賊頭が、王家の有事に動くのはおかしいか?」
「………………」
「そうだな、おかしいな。オレは国が滅ぼうが、世界が破滅しようが、別に構
いはしない」
 この男は涙さえ浮かべて、本当に楽しそうに破顔する。笑いながら、焼死体
から腕を引き抜く。彼が手を振ると、焼け焦げた小さな紙包みが床を滑ってい
った。
「あなたは、自分のしていることがわかっていないのよ」
「オレはある優しい御方の為に働いている。小娘、お前は人の肉を喰らいたい
と思ったことがあるか? それほどの飢えを経験したことは?」
 顎髭をひとなでし、場違いなほど優しい目で実留を見る。彼女はこうした顔
をする人を知っている、以前の自分だ。夢も希望も持てなくなり、心が壊れか
けていくのをひたすら待っている人間の目だ。
「……………………」
 ただ一人、狂人と向かい合っている実留は、恐怖のあまり歯の根が合わない。
「オレはある。もう十年も昔のことだ。あの御方に逢うのが半刻も遅ければ、
妹の痩せこけた足にかぶりつくところだった。救ったとはあの御方はお思いに
なっておられんだろう。砂糖菓子を放ってやった野良犬のことなど、もう忘れ
ておられるはずだ。
 あの御方が何の目的で、ラート像を奪う国賊に身を落としたのかわからない。
邪眼の巫女に執着する理由なら、《頭のない蛇》でもわかることだがな。
 しかし、それはあの御方のことだ、裏も表もなく王国の為だろう」
「その人はバルディス王子のことを誤解しているのよ。彼はこれからのバクタ
ーシア王国に必要な人間よ」
「盗賊には王の血が濃かろうが薄かろうが知ったことではない。オレはあの御
方に……アドビス様に借りがある、それをお返したいだけだ」
 くだらない話はもう終わりだ、とジンは神官の死体を踏み越えて、こちらに
やって来る。丸太のような腕を伸ばしてくる。
「お前の邪眼は、どうしても必要なのだ」
 実留の首など、野の花よりも簡単に手折るだろう。それとも、あの神官と同
じく身体を吹き飛ばされるのだろうか。
 それでも、私は死ぬわけにはいかない。
 ジンがアドビスのために働くように、実留はカイとシーシャとマヤカのため
に働かなくてはならない。
 ここでラート聖像はおろか、聖眼と邪眼の半分を奪われてしまったら、今ま
での彼らの行動はすべて水の泡になってしまう。そこまで、自分は愚かではな
いはずだ。
 自分はいつも諦めが早すぎるのだ。退路は探せばあるはずと、実留は部屋を
見回した。
 ──実留さん、伏せてっ!
 マヤカの金切り声に、実留は身体を床へ転がせた。
 木製の扉を蹴破り、部屋に乱入してきたのはシーシャだった。一歩遅れて転
がり込んできたマヤカは床に膝をつくなり、ジンに銀のナイフを六本放った。
そのすべてを寸でのところでかわされた。巨体にも係わらず、俊敏な動きだ。
 ジンは隠し扉の向こう側に姿を消す。入れ違いに、《頭のない蛇》の男達が
襲いかかってくる。
 シーシャの腕前は知っている。実留は安心して、背後に回っていることがで
きる。
 一方、マヤカも男達に一歩もひけをとっていない。柔らかく手首のスナップ
を効かせ、銀のナイフをばらまく。低い体勢から周囲に鋭い視線をめぐらす様
は山猫だ。灰色熊なら仕留められるという話も、これならうなずける。
 たかが小娘が放つ細身のナイフだと、油断していた男達だが、かすり傷から
染み込んできた神経毒の効果に驚愕の表情を浮かべる。
「灰色熊やマダラ狼に使ったことはあるけど、人は初めて。この毒、よく効く
のね」
 マヤカは陸に上げられた魚のような男達を見下ろすと、一匹ずつ、手刀で処
理した。
「カイ様は御一緒ではないのですか?」
 シーシャから真っ先に飛んできた言葉は、最後に倒された男のうめき声と重
なった。
「カイは……」
 なんてことだ。水香の術を解くため、アンナに任せっきりにしていた。
「まさか、兄さん…………」
 折り重なった男達を乗り越えて、マヤカが実留へとつめよる。
「わからない。でも、大丈夫よ。アンナが守ってくれているはずだから」
 カイに何かがあれば、アンナもただでは済まないはずだ。そして、アンナが
その身に傷を負えば、絶対に実留にも異変があるはずだ。
「誰が、猫なんかに、守ってもらうんだ?」
 少女達の間に、するりと身を滑り込ませてきたのは、不敵な笑みを浮かべた
美少年だ。仔猫を小脇に抱えている。
「部屋に入るときにはノックを忘れないで下さい、お兄さん!」
 すっかりシーシャの言葉遣いが染みついた妹の頭を、カイはため息まじりに
小突く。
「口のうるさい娘には、男が寄りつかないぞ」
「で、慎ましやかな実留さんを見習えっていうの? ふうん、巫女様といって
も、猫嫌いなお兄さんがねぇ、シーシャの言う通りねぇ」
「……………………」
 カイはしばらく無言のまま、碧眼の美青年をにらんでいた。だが、まったく
効果がないと知ると、むくれ顔で実留に仔猫を投げて寄こした。
「しかし、神官を手にかけるとは……。オレには狂気の沙汰としか思えんな」
 自国の作法で死者を悼む祈りを捧げると、カイは唇をかみしめた。
「事情を知らない彼らは必死に救いを求めています。それが破滅の道であった
と気がついたとしても、止める術がないのでしょう」
 静かだが怒気をはらんだ声で、シーシャが答える。彼は神官の穴の開いた身
体に、タペストリーをかけてやった。
「そうだな、ならば誰かが止めてやらなければ」
 部屋の内からでも、大勢の人の気配が近づいているのがわかる。ジンは盗賊
頭としては、実力も人望もトップクラスなのかもしれない。
「まったく、無尽蔵に部下を持つ男ね」
 うんざりした口調のマヤカだったが、激しい戦いの予感に瞳は輝いている。
「ここは、私達にお任せになって下さい」
 胸に手を当て優雅に礼をする従者を尻目に、カイは走り出していた。
「行くぞ、実留!」
                                 続く
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 主婦と創作ではオリジナルなテキスト作品の投稿を募っております。
 自作(必須)で、テキスト形式メルマガで発表できる作品でしたら、小説か
ら俳句まで、ジャンルは問いません。 震ってご投稿下さい。
…でもとりあえず、規約には目を通して下さいな。
★投稿規約のページ
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◇連載小説「クレール光の伝説 番外編 舞殿の【女帝】」第15回
                           作:神光寺かをり
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作者注※
この物語はお姫様倶楽部発行のビジュアルノベルゲーム「お姫様舞踏会オフラ
インスペシャル」の隠しシナリオをベースにした書き下ろし小説です。
ゲームはプレイヤーキャラの一人称視点で展開しますが、この小説は視点が三
人称に変更されております。
なお、神光寺かをりのウェブ小説「クレール光の伝説」とは微妙に設定が違う
部分があります。(それ故「番外編」なのですが)
また、ゲームのシナリオとも微妙に違いが生じるかも知れません。
著作権はお姫様倶楽部と神光寺かをりが所有しております。
著作者の許可無く転載・複製なさらないでください。
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 数珠繋ぎの盗賊とピエトロとがグランドパレスに戻ってきた頃には、陽はだ
いぶん傾いていた。
 エル・クレールとブライトは、建物と見回りの兵士達の影が見えたあたりで、
「後は任せた」
と短く言い残して…言ったのはブライトだが…消えてしまっていた。
 盗賊どもを衛兵に引き渡すと、ピエトロは重い脚を引きずりながら謁見室へ
向かった。
『何を何処からどの様に説明すればよいだろうか』
 さんざん思い悩んだが、結局は「エントランスホールに向かう途中に迷子に
なった」ところから、総てを包み隠さず言ってしまうことにした。
              ◇◆◇◆◇
「良く、判りました」
 ギネビア宰相姫の重いため息を聞き、ピエトロは竦み上がった。きっと重い
罰を受けるに違いない。彼は深く頭を垂れて次の言葉を待った。
「あなたのおかげで、私はパレス内の人の配置を大きく換えねばなりませんで
した。オランのオーロラ殿とグランディアのファミーユ殿を接待する者の都合
を付け、手空きの兵士には姿の見えない接待役を探させねばならなかったので
すよ」
「申し訳ありません」
「このたびのあなたの行動は、自分の仕事を他人に押しつけた上に、他人の仕
事を奪う結果になりました」
「いえ、僕は自分の任務を忘れただけで、それ以外には何も…」
「衛兵の一伍を、中庭から裏山にかけて展開させていました。ルッカ・アイラ
ンドよりの荷物が納められていた港の倉庫から貴重品ばかりを盗み出した盗賊
達を捕縛するために、です。彼らの仕事を、あなたは奪ったのです。違います
か?」
「それは僕がやったことではありません。盗賊を捕まえたのは…」
「ソードマン氏、でしょう? 本当にあの方には困ったものです。私のことな
ど考えずに気ままに行動しているくせに、それがいつでも私たちを助ける結果
になるのだから。本当に憎らしいこと。それにつけても、いつでもあの方と騒
動の中にいるクレールさんの…羨ましいこと」
 心のそこからの羨望が、ギネビアの頬に浮かんだ。
 少女のようなその微笑みに、ピエトロが目を見開いて驚いていると、ギネビ
アはすぐに表情を元通りの険しさに戻した。
「ですが、今回ばかりはあの方々にも勝手をさせるわけには行きません。そこ
でピエトロ、あなたに新しい役目を与えます」
「はい、何なりとお申し付けください。今度こそ全身全霊でまっとうします」
 床に頭を打ち付ける勢いのピエトロに、ギネビアは不可思議な命を下した。
「あの二人から、今宵の舞踏会に必ず出るという確約を得ること。さもなけれ
ば、あなたを命令違反できつく罰します」
 厳命されたピエトロは、重い足取りで謁見室を出た。
 出てすぐの廊下に件の二人が立っていたのは、ピエトロにとってむしろ不孝
だった。彼らを説得するための手段を思案する暇がなかったのだから。
「おう、絞られてきたな。だが全部あんたの責任だ。恨むなら手前ぇを恨めよ」
 ブライトが楽しげに言う。エル・クレールは大いにあわてて、いきなり彼の
足先を踏みつけた。
 息を飲み込む引きつった悲鳴を上げて、ブライトが悶絶する脇で、彼女はピ
エトロに声をかけた。
「私たちからギネビア殿に事情を説明した方がよいでしょうか? 君は寸分も
悪くありませんから」
「その必要はないよ」
 そもそも、総ては自分が朝から道に迷って遅れてきたことに起因する。その
せいでたくさんの人に迷惑と心配をかけたのだ。ピエトロの胸は痛んだ。
「僕は確かにひどく怒られたけど、罰は受けなかったんだ。…条件付きだけど」
「ならば良いのですけれど」
 それでもエル・クレールの心配が晴れない。
 一方、自分の足の骨の心配はまるでしてくれない相棒に業を煮やしたらしい
ブライトは、彼女の腕をつかんで、かなり強引にその細い体を自身の腕のうち
に引き寄せた。
「そいつは良かったな。じゃ、俺らはここの親玉に『舞踏会に出ろ』って言わ
れる前にトンズラさせてもらうぜ」
 そうして、ピエトロが知っている出口とはまるきり違う方向へ歩き出す。
 今度はピエトロがあわてる番だった。
「待ってくれ、僕はギネビア様に君たちが舞踏会に出てくれるように説得しろ
と言われて来たんだ」
 二人の足が止まった。互いに顔を見合わせて、同時に肩を落とす。
「それが君を更迭しない条件ですか? ギネビア殿も人が悪い」
 エル・クレールは仕方なさげに苦笑いし、ブライトは観念した風に天井を仰
いだ。
                                …続く
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◇お願い
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・もし、文字化けしている様な箇所を発見したら、お教え下さい。
 チェックはしているつもりなのですけれど…
・投稿作品を募集します。詳しいお問い合わせは、以下のメールフォームから
 お願いしますです。
    →http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/5751/mmagazine.html
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    ◆テキスト系創作メールマガジン 文芸同人「主婦と創作」◆
発行人:銀凰恵
 URL :http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/5751/
 Mail: gin_oh@yahoo.co.jp
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