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-----◇ライトオタク同人主婦達のぐうたら創作日記 「主婦と創作」◇-----
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---------------------------------------------- 2003年08月30日号 ----
------------------------------------------------------- 通巻52号 -----
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◇ご挨拶
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 初めましてのかたは、初めまして。
 そうでない方は、お暑うございます、お待たせしました。
 自称「文芸同人誌」主婦と創作の主幹、銀凰@病み上がりです。
 それでは早速今週の作品をどうぞ!
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◇本日の目次…
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 ◆連載小説…くまのサマ 小説「星眼の巫女」(10)
 ◆    …神光寺かをり 小説「舞殿の【女帝】」(14)
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◇連載小説 星眼の巫女                   作:くまの
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*9*
 すべては、夢であったらよかったのに……。

「少しは手加減ってものを考えろ!」
 カイの怒声は風を切るしなやかな刺の鞭だ。
 容赦なく相手を打ちのめすが、遣い手が未熟なため、ときに自分の肉さえ裂
いてしまうこともある。
 言葉の鞭を受け慣れている風の美青年は、
「申し訳ございません」
 と叱咤の声も平然と聞き流す。「――しかしながら、私の任は貴方様と国家
機密を護り通すことでございます」
「その国家機密に当然、実留は含まれているはずだろう」
「時と場合によりけりでございます。聖眼の巫女殿に生半可な剣技では通用し
ないと判断し、実行に移したまで」
「…………ああ、わかっている」
 ふてくされた声が、少年の年を感じさせる。

 私はどこにいても異端者だ……。
 再びまぶたを固く閉じ、巫女たる少女は細くため息をつく。
 実のところ、実留(みとめ)は彼らが自分の処遇に対する言い合いを始める
直前から、意識が戻っていた。戻りながらも、二人に背を向けた姿勢で草地に
横たわっていたのは、逃亡の好機をうかがっていたに過ぎない。
 居心地の悪さに身じろぎをすると、清水に浸した布が額からすべり落ちた。
反射的に手をやって、気がつく。不思議なことに手足は縛られていない。カイ
はともかく、シーシャは最大限の警戒でもって自分に対応するべきであるのに
……。
 隙だらけの二人の背中を見やり、今ならば逃げられると思うのだが、実留の
身体はぴくりとも動かない。
 …………シーシャが私に剣を向けた。
 そうなるように、自分が仕向けたからだ。
 ──そうじゃ、…………が妾に宝剣を向けたように……。
 これ以上ここにいたら、命の恩人達に自分が何をするかわからない。それが
一番、怖かった。
 女神様、私はここにはいられない……でも、二人を傷つけたくはないの。
 ――……それが誠の願いならば……ヴィラよ、妾の善き友よ。我が巫女たる
柴田実留の願いを聞き届けよ。
 時の女神の助力を願い、実留の庇護者たる女神は時間を止めた。正確には二
人の人間の刻を。
 二人の意識をその場に留め置き、逃亡することなど女神にとっては容易なこ
とだった。術をかけなかったアンナだけは実留の後を追ってきたが、仔猫の脚
ではたかが知れている。
 私は何なの? これから、どうしたらいいの? どこへ行けばいいの?
 走りながらの問答は、いつまでたっても終わらない。
 無事に逃げきってから、それから考えよう。そう思ってはみたが一体、何か
ら逃げているのか、実留は自分でも分からなかった。
* * *
 山を下り民家が近づくにつれ、周囲の景色もいつかどこかで見たような懐か
しいものに変わる。
 不定型な水田の畦道、澄んだ川原端にはタンポポやシロツメクサ、名も知ら
ぬ山野草が互いに競うように咲き乱れる。田舎の春の光景である。
 実留は萱葺き屋根の農家の前で、ふと足を止めた。通りに面した濡れ縁には、
泥のついた野良着が一そろい置かれていた。
 好戦的な女神とは違い、その巫女は無用な騒ぎは起こしたくなかった。宝剣
は鞘からはらった状態で、濡れ縁の下に隠すことにした。素足の指先が柄にか
かっている。
 これは保険だ。今の実留の精神状態は、剣なしには人と会話すらできない。
「あの、すみません。どなたかいらっしゃいませんか?」
 奥から出てきたモンペ姿の老婆は、長年の農作業で見事に腰が曲がっていた。
矍鑠(かくしゃく)とした足取りでやってくると、人の良さそうな笑みを浮か
べた。
「おや、外人さんかね?」
 深いしわの刻まれた顔がくしゃりとなる。
「すみません。お電話を貸していただけませんか?」
 不審人物だと警戒されないよう、実留は邪気のない笑顔を作ることに力を注
ぐ。
 ──わからぬな。何故、そのような回りくどい所作を行うのじゃ?
 濡れ縁の下で効き足が動く。
 ああ、駄目よ。お願いだから、私の好きにさせて下さい。
 実留は奥歯を噛みしめ、別の存在の意志をねじ伏せなければならなかった。
「はぁ?」
 首をかしげる老婆に、実留は自分が不作法な物言いをしたのかと不安になる。
耳が遠いのかもしれないと、もう一度言う。
「わしは英語はわからんがね、──ってや、…………の?」
 困惑顔を見るにいたって、実留はやっと気がついた。
 もしかして、私は日本語を話していないの?
 陽光の髪色、暗緑色の瞳、外見だけ見れば、実留は立派な英国人なのだ。か
ろうじて日本社会で生活していけたのは、身に染みついた日本語力に他ならな
い。
 そして、実留自身も老婆がしゃべる言葉の半分も、ヒアリングできない事実
に気がついた。呆然と濡れ縁に目をやる彼女を尻目に、老婆は奥に引っ込んで
いってしまう。
 結局、剣に頼るほかないの?
 ――そのようじゃな。
 少し脅して、お金と食べ物を奪って逃げようかと算段を始めたとき、老婆は
再び姿を現した。おしぼりと手鏡、不恰好なお握りが乗った丸い盆を持ってい
る。
「これは?」
 老婆は手振り身振りで、『洗え』『食べろ』『休め』と言った。
 後は実留に構うことなく、鍬(くわ)を手にすると家を出ていく。自分の畑
に向かうのだろう、丸い背中が山道を下っていくのをぼんやりと見送っていた。
 実留は濡れ縁ではなく、春草の生い茂る前庭に直接、腰を下ろした。庭の隅
には日だまりをばらまいたような花が群生していた。
「あ、関東タンポポ」
 珍しいものを見たと、実留は膝を前に進める。
 都会で見られるほとんどが、ヨーロッパ原産の西洋タンポポだ。サラダ菜用
に輸入されたものが、外来品種らしい精力的な繁殖力と適応力で日本全土の広
がった帰化植物である。
 これらは、すべて祖母から教わった。
『見てごらん、こっちのタンポポの緑の襟は反っているでしょう。これが西洋
タンポポだよ』
 関東タンポポと西洋タンポポの違いは、総包外片と呼ばれる花片を支える場
所にある。
『このデコボコの襟が関東タンポポ』
 幼稚園の送り迎え、公園への行き帰り、何度となく繰り返された会話を思い
出す。
『おばあちゃんも、タンポポみたいになりたいねぇ。そうしたら、ずっとお前
と一緒にいられるのにねぇ』
 あの言葉の意味も、言葉にできなかった吐息のわけも今ならわかる。嫁入り
した祖母は、日本の大地に根づけなかったのだ。
 夫である祖父に寄生して、ようやく日本で生きていたのかもしれない。
 その祖父も亡くなり、祖母は日本にいる目的を失ってしまったのだろう。実
留では祖母を引き止めるだけの力はなかったのだ。
 一緒に連れていってくれたら、よかったのに……私だって、ここでは異端者
なのよ。
 幾度も思った自分の言葉の数々が、今ほど空虚に思えたことはなかった。
 日本語が通じない、ただそれだけで、自分はこれほどまでに恐慌状態に陥る。
 外見は英国人でも、日本人の実留が操る言葉は日本語なのだ。この懐かしく
感じる風景も日本人の心象風景なのだと、今更ながらに気がつく。
 祖母はきっとそうは感じないだろうと思い、実留はタンポポを摘み取った。
「ヴィラ・ラ・シーアン」
 確か、ヴィラはバクターシア王国の女神の一人だ。ラは、きっと助詞だろう。
シーアンは守護や保護の願いのようなものが感じとれる。だとすれば……あの
看守役の女は……。
 ふみぃぃ。
 まさかと思いつつ、庭の石垣から見下ろすと、大きなタンポポの綿毛が必死
によじ登ろうとしている。実留が両手を差しのべると、仔猫は爪を引っ込めて
救難を申し出た。
「ごめんなさいね、さっきは痛かったでしょう?」
 アンナは全身を使って、再会の喜びを語っている。抱きしめると、右前足に
しこりのようなものを感じた。先ほど蹴り上げた衝撃で、骨が変形していたら
どうしようかと実留は心配になる。
 額の紅い神石は、アンナの瞳とほぼ同じ大きさに成長していた。まるで、三
つ目小僧のようだ。血を凝らせたような卵型の紅玉は、触れるとつるりとして
気持ちが良かった。
 ──……実留、愛しい巫女よ。
 話しかけられても、実留は無心に紅い神石をなで続けていた。
「あなたは誰なの?」
 実留の問いかけに、それは答えない。
 けれど、そんなことは大した問題ではないような気がした。アンナの内にい
る存在は自分の内にいる存在と同じものなのだと、直感が告げている。
 ──……実留、愛しい巫女よ。
 荒れた心が次第に凪いでいく……。
 ──さあ、共に国使の許へ還りましょう。
「無理よ、私は……あの人達に酷いことをしたのよ。顔を見せられるはずがな
いじゃない……」
 意識はおぼろだが、カイの身体を斬ったときの生々しい感触は依然、手に残
っている。シーシャの殺意もこの身に染み込んでいるのだ。
 ──実留の身を案じながら、慣れぬ異国での行幸。彼らの苦労を察してあげ
てください。
「それは私が聖眼の巫女だから……」
 ――いいえ、思い出してごらんなさい。貴女はすでにわかっているはずです
よ。
 さらに、アンナは実留の首にかけた珠が、ラート神殿近くで採掘されるラデ
ィーカと呼ばれる水晶の一種であること。
 ラディーカには治癒力があり、王族や高位の神官のみ身につけることが許さ
れる高貴な珠であること。しかし、逼迫した状況のため、神石に熱反応する珠
が巫女探しに利用されていたことを語った。
 施設を抜け出した実留を見つけたときの言葉でもわかる通り、欠点はラディ
ーカ同士でも、熱反応を起こすことだ。
「……ああ」
 カイが命綱とも呼べる珠を――あの時点では――ごく普通の少女に頭痛止め
として貸したことを思い出した。
 ──……お主は何者じゃ?
 心の闇から意識を浮かび上がらせた女神が、白い仔猫をにらみつける。
 だが、女神の意識は実留の精神に呼応している。警戒心をむき出しにはする
が、攻撃をしかけるような狂気の炎は消え失せていた。
 アンナであって、そうでない存在は春を歌うように言葉をつむぎ出す。
 ──わたくしは貴女と一つ血脈を分け合うもの。遠い昔の約束を果たしに参
ったのです。

                                 続く
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◇連載小説「クレール光の伝説 番外編 舞殿の【女帝】」第14回
                           作:神光寺かをり
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作者注※
この物語はお姫様倶楽部発行のビジュアルノベルゲーム「お姫様舞踏会オフラ
インスペシャル」の隠しシナリオをベースにした書き下ろし小説です。
ゲームはプレイヤーキャラの一人称視点で展開しますが、この小説は視点が三
人称に変更されております。
なお、神光寺かをりのウェブ小説「クレール光の伝説」とは微妙に設定が違う
部分があります。(それ故「番外編」なのですが)
また、ゲームのシナリオとも微妙に違いが生じるかも知れません。
著作権はお姫様倶楽部と神光寺かをりが所有しております。
著作者の許可無く転載・複製なさらないでください。

----今までのあらすじ--------------------------------------------------
 舞踏会に招待されたエル・クレールとブライトは、主催者ギネビア宰相姫に
直接辞退を申し込む。しかしギネビアから、遠国の王女パトリシアが舞踏会に
参加する条件が彼らの出席であると告げられ、やむなく宮殿に残ることに。
 一方接待役として招聘されたピエトロ王子は、宮殿内で迷っていたパトリシ
ア姫と出会い、彼女を目的地グランドスパへ案内する。
 急ぎ役目に戻ろうと考える彼の目の前に、中庭に向かって開く大きな窓が…
--------------------------------------------------今までのあらすじ----

「庭を抜ければ近道、だよな。でも…」
 今日は近道を選んだがために散々な失敗を重ねている。
「二度あることは三度…、いや、三度目の正直とともいうぞ」
 ピエトロは窓を開け放つと、窓枠を飛び越えて庭へ飛び出した。
「窓から出入りするなんて、あんまり上品じゃないから、誰かに見られたら大
変だ」
 庭は驚くほど静かだった。しかし、先ほどはあれだけの数の兵士がいたのに、
今は人影一つないと言うことを、ピエトロは不審に思わなかった。むしろその
下品ともいえる行動を誰からも見咎められなかったことに安堵している。
「ここからならすぐにエントランスホールに戻れるぞ。いや、かえって早すぎ
る位かも知れないな」
 …それならばあわてる必要はないだろう…ピエトロは楽観して、まるきり庭
の散策でもしているかのような歩調で歩いた。
 美しい花木が風に揺れていた。こんな静かな庭園を、美しい女性と二人きり
で歩けたなら、どんなに楽しいことだろうか。ピエトロは思わず伸びをし、大
きく息を吸った。
 彼の鼻腔を、強い硫黄のにおいが通り抜けた。
 たまらず咳き込む彼の目に、庭の隅から上がっている猛烈な湯気の柱が飛び
込んできた。その周囲を、急作りな柵が取り巻いている。
 塗装が乾ききっていない柵は、高さが不揃いな板を曲がった釘で止めたお粗
末なもので、素人拵えであることが素人目にも知れた。
「あんなところから湯気が出ているなんて、一体どうしたことだろう?」
 ピエトロは熱気を帯びた空気をかき分けて、柵の内側をのぞき込んだ。
 地面は芝を剥いで掘らている。その溝の中に、太い陶のパイプが通っていた。
湯気は、そのパイプの継ぎ目から漏れ、コウコウとかすれた音を立てて吹き出
している。
「なるほど、源泉から湯を引いているパイプに、何か不具合があったのだな。
そう言えばさっきの衛兵が、職人を呼ぶとか、できるだけ自分たちでやるとか
言っていたっけ」
 剣術の巧みたちが不慣れな大工仕事をしたのだ。相当手を焼いたのだろう。
ご苦労なことだ…と、ピエトロが頭を持ち上げたその時だった。
 かさりと音がし、何かが動いた。
 右の目の見えるぎりぎりのところだったが、それは確かに人影に見えた。複
数いたようにも、一人だったようにも思える。
「グランドスパの方だ」
 思わず、駆けだした。
 窓辺の生け垣が不自然にへこんでいるような気がする。ピエトロは茂みをか
き分けて中をのぞき込んだ。
 大きな白い窓枠に、厚手のカーテンが掛けられていた。窓は閉まっていたが、
カーテンは開いていて、室内の様子が見える。
 鉛ガラスのわずかにゆがんだ向こう側で、小さな人影が動いた。
 亜麻色の髪、細い手足、白い肌。
『パトリシア姫!』
 ピエトロはあわてて頭を引っ込めた。
 これから湯殿に向かおうと言うところだったのだろう。パトリシアは一糸も
まとわぬ姿であった。
 彼女がピエトロに背を向けて、スパ付きのメイドと話し込んでいたのは、ピ
エトロにとって幸運だったといって良い。
 彼は大急ぎで茂みを抜け出した。
『なんてことだろう。悪意はなかったとは言うものの、ご婦人のお着替えをの
ぞいてしまった。見つかっていたら一大事だ』
 ピエトロは胸をなで下ろし、その場に座り込もうとした…のだが。
「君、ちょっと良いだろうか?」
 突然、背後から声をかけられた。
 治まりかけていた動悸は前以上に激しくなり、心臓が破裂するかに思えた。
「は、はい!」
 振り向くと、そこには二人の人物が立っていた。
 一人は細身の若者だった。
 腰までの長さの下げ髪は、プラチナブロンド。瞳は澄んだエメラルド。幼い
が鼻筋の通った顔立ち。華奢な体を包んでいるのは、時代遅れの上に着古され
た礼服。
 地味で清楚な若者は、人当たりの良さそうな笑顔をピエトロに向けている。
 その名がエル・クレールであるということを、ピエトロはまだ知らない。
 その背後には、肩幅の広い大柄な男が突っ立っていた。
 櫛の歯が折れそうなほど乱れた髪。鷲鷹のように鋭い眼光。無精髭まみれで
年齢の読めない彫り深な顔。がっしりと骨太な肉体を、この場に似つかわしく
ない平服で覆っている。
 豪快で少々不潔な男は、不機嫌そうなまなざしでピエトロを睨んでいる。
 彼の名がブライトであることもまた、ピエトロの知るところではなかった。
                                …続く
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・もし、文字化けしている様な箇所を発見したら、お教え下さい。
 チェックはしているつもりなのですけれど…
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 お願いしますです。
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